2012年08月15日

林梵「台灣俳句」(台南・成功大学)

今回は、また今年(2012年)3月に訪れた台南についてのエントリです。やや小ネタ気味ですが。

台南の駅の東側すぐに、広いキャンパスをもつ大学があります。これは、国立成功大学(國立成功大學公式サイト中文wikipedia日本語wikipedia)という大学です。

鄭成功に由来する名前をもつこの大学、「大学」と呼ばれるようになったのは1956年からですが、もともと日本統治期の1931年に「台南高等工業学校」として設立されたのが出発点です。台湾でもトップクラスの大学で、今年2月には企業が求める大学生ランキングで、台湾大学をおさえて1位に選ばれています(中央社「企業最愛畢業生 成大奪冠」)。

さてそんな成功大学のキャンパスを、台南滞在があとわずかというときに、ほんの少しだけ訪れました。このキャンパス、歴史的な建築物がいろいろあったり、なかなかの景観があったり、観光スポットとしても無視できない場所なのですが、このときは何しろもう時間がなく、また日差しが照りつけかなり暑かったこともあって、本当に少ししかキャンパスの中を歩くことができませんでした。残念。

そんな中、建物を抜けてちょっと静かになった場所で、白壁に詩が書かれていることに気づきました。「台灣俳句」とあります。これです。

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「季節又到了/樹睜開千蕊的眼睛/張看花花世界」に始まる6篇の詩(俳句?)です。林梵という人の詩ですが、その後調べてみると、林梵は林瑞明のペンネーム。林瑞明(wikipedia)は、詩人であると同時に、文学・歴史学のかなり著名な研究者でもある人で、台南出身。現在、この成功大学で教授を務めている人でした。國家台灣文學館の館長だったこともあるそうです。

自分の中国語力と文学的センスだと、なかなか味わいつくせないのが残念ですが、大学のキャンパスに詩がこんな風に書かれているというのは、空気を落ち着かせるようで、なかなかいい感じに思えました。暑さの中で、これを見てほっとしたことが思い出されます。


以下はおまけ。

キャンパスの正門に行くと、門のところに謎の着ぐるみが! 所長(当時4歳)はびびって、離れたところを歩こうとしました(笑)。この日はキャンパスで「南區就業博覽會」というジョブフェアが行われていたので、多分その関係のキャラクターではないかと。
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もうひとつ、門のところで目を引くのが、この「考える人」の像。首と手だけの像ですが、実に絶妙に立っています。なんだか浮いているみたいで、最初に遠目に見たときはちょっとびっくりしました。誰の像なのか知りたかったけどわからず。ご存じの方、ご教示を。
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有名なガジュマルの樹までは行けなかったけど、こんな感じの木はキャンパス内にたくさんあります。
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成功大学には「台灣語文測驗中心」というところがあるそうで、台語・客語の検定をやったり文化紹介活動をやったりしている模様。気になります。
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「性別論壇」という企画もコンスタントに行われているみたい。見にくいけど、画像のポスターで紹介されているイベントのひとつはこれだったみたいです。
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もっといろいろ見てまわりたかったのですが、暑さと日差しと時間のなさの前に断念。また行きたい…。

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2012年07月30日

台南・全美戲院

今年(2012年)3月に台湾に行ったときのことを、なかなかブログで紹介しきれないうちに、次の台湾行きが着々と迫りつつあります。少しでも消化しよう、というわけで、今回は3月に訪れた台南についてのエントリです。

といっても、時間の都合で簡単に画像中心のエントリ。台南市永福路二段にある映画館「全美戲院」(今日戲院/全美戲院:公式サイトFacebook)です。

この映画館、1950年に開業された60年以上の歴史を誇る映画館だそうで、いろいろエピソードもあるようなのですが、何よりもここの特徴といえるのは、通りに面してどーんと掲げられている映画看板の数々です。いまどきなかなかお目にかかれない手描きタイプのもので、通りを歩いていて突然これに出くわすと、結構なインパクトでした。

このときは、「セデック・バレ」が大きく正面に掲げられていました。両端のオスカー像の絵がなんともいえない。
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ちょっと離れた交差点の角にも看板が。「痞子英雄(ハーバー・クライシス〈湾岸危機〉Black & White Episode1)」ですね。限られたスペースに記される名前のチョイスは、台湾組で固めています。
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通りをはさんで向かい側の空きスペースまわりにも、看板がありました。これは全美戲院の60周年関係。
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さらに、なつかしの作品(と思われるもの)の数々。どれも味わいがあって気になります。
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この手描き看板ですが、台北ナビの記事によると、すべて「オーナー呉さんの絵筆によるもの」だそうです! すごい…。55周年のときには数々の看板を絵はがきにもしているようで、相当数の作品の蓄積があるのでは…。

映画に関心のない方でも、通りかかると「おおっ」となりますので、機会があればぜひ一見を。

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2011年03月22日

全國原住民運動會

3月26日から、台東で「中華民國100年全國原住民運動會」公式サイトFacebook)というイベントが開かれるそうです。今回はこれについてご紹介。

「原住民運動会」って何?と思う人も多いと思いますが、このイベント、文字通りに、台湾の「原住民」(先住民族)のスポーツ大会です。あれこれ検索してみると、もともとは「台灣省原住民運動會」という名称で開催されていたものだそうで、1994年(民國83年)に第1回が行われたそうです。1998年(民國87年)に第4回が行われた後、翌年の1999年(民國88年)から行政院體育委員會の主催による「全國原住民運動會」という名称になり、それ以降隔年で3月に開催される形に定まり、現在に至るようです。台湾には、隔年で開催される「全國運動會」(全運會)という、日本の国体みたいなスポーツ大会があるそうで、それの原住民版という感じかもしれません。

スポーツの分野で活躍する原住民の人たちは少なくないけど、こんなイベントが定期的に開催されているとは知りませんでした。開催が迫り、ニュースでも取り上げられています。

民視「原住民運動會 3/26登場」


コマーシャルもあります。


大会キャラクターも! いのししの「阿歷」! キャラクターのデザインと背景説明はこちら。上記公式Facebookにはこれの着ぐるみの写真あり。元のイラストとやや印象が違う気が…。

大会テーマソングも! これは今年つくられたものではなく、何回目かとは関係ない共通テーマソングのようです。作詞・作曲は李泰祥という方(wikipedia)。この人がどんな人かがわかる日本語の記事がみつかったので、リンクしておきます。こちら


で、この大会、どんな種目があるのかと思って公式サイトをみると、以下のようなリストが。

田徑 籃球 棒球 柔道 拔河 健力 路跑 負重接力 原住民舞蹈 傳統摔角 傳統射箭 慢速壘球 槌球

一目でわかるもの・予想がつくものもあるけど、字だけだと???となるものもあるので、ざっと調べてみると……

「田徑」は陸上競技のことだそうです。高さや距離を競う種目(「田賽」)と、タイムを競う種目(「徑賽」)をまとめて言う表現なのだとか。「籃球」(バスケットボール)、「棒球」(野球)はわかりやすいかと。「柔道」はそのまま。

「拔河」は何のことかと思ったら「綱引き」とは! 「健力」は重量上げ、「路跑」はマラソンとのこと。「負重接力」は、重い荷物を背負って運ぶ競争みたいです。

「原住民舞蹈」も種目にあるのは興味深い。観てみたいかも。

「傳統摔角」は、相撲みたいなもの? 「傳統射箭」はアーチェリー(ただし「傳統」)。「慢速壘球」は、ソフトボール。ただし「慢速」というのはスローピッチということだそうです(スローピッチのソフトボールって何?という方はこのwikipediaを。私も知りませんでした)。「槌球」はゲートボール。というわけで、なかなか幅広いです。

――と、ここまで調べた後になって、大会キャラクターの阿歷が各種目をやっているイラストロゴがあることに気づく。最初からこれを見ればよかったのか。うう。→ 00年全國原住民運動會各單項LOGO圖案


というわけで、なんだか結構本格的な企画のようです。綱引きとか観客としてみるだけでも結構盛り上がりそう。もしも今週末に台東方面に行かれる方がいらしたら、ぜひご検討を。

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2011年02月16日

電音三太子のコンテスト

今回は、先週末(2月13日)に台南で開催された、あるイベントをご紹介。何があったのかというと、「第二屆全國電音三太子競技擂台賽」。つまり、「電音三太子」の全台湾コンテストです。「電音三太子」って何?という方は、まず以前のエントリをご覧あれ。

台南の新營太子宮(Facebook)で開催されたのは、「哪吒太子FUN電文化藝術節」というイベント。その中の一つとして、この電音三太子のコンテストも開催されたとのこと。

全部で20組が参加したというこのイベントですが、新營太子宮のブログによると、賞金は以下のとおり。1位は10万元! 結構もらえるんですね。

(1). 第二屆電音三太子競技擂台賽第一名:冠軍錦標旗1面、獎金10萬元、獎狀1紙、獎盃1座。
(2). 第二屆電音三太子競技擂台賽第二名:獎金5萬元、獎狀1紙、獎盃1座。
(3). 第二屆電音三太子競技擂台賽第三名:獎金3萬元、獎狀1紙、獎盃1座。
(4). 服裝表現獎:頒發獎金2萬元、獎牌及榮譽頭旗各一面。
(5). 最佳默契獎:頒發獎金2萬元、獎牌及榮譽頭旗各一面。
(6). 表現創意獎:頒發獎金2萬元、獎牌及榮譽頭旗各一面。
(7). 最佳潛力獎:頒發獎金2萬元、獎牌及榮譽頭旗各一面。
(8). 哪吒太子奬每名獎金1.5萬元
(9). 最佳人氣獎:由現場遊客票選,人氣指數最高者,將可獲得獎金3萬元、獎牌1面。
第一名隊伍若獲邀演出行經新營太子宮,新營太子宮將免費提供住宿,及專人引導並將主神奉請入主殿。


イベント来場者も、ただ観るだけではなくて、20組の中でどの電音三太子がよかったのかを投票することができるそうです。

このイベントでは、通常の電音三太子に比べて、おもしろい格好のものがたくさん登場したようです。迷彩服とかサングラスとか、ギターを持っていたりとか、手袋をしていたりとか、らしからぬ格好のものが続々。踊る音楽も、「保庇」など多様だったみたいです。

というわけで、ニュース動画をいくつか貼り付けておきます。ご関心のある方は、イベントを見に行った人が撮影した動画がたくさんYoutubeにアップされているので、そちらもどうぞ。

中時電子報「電音三太子台南競技 曲目服裝保密到家」


台視「電音三太子尬場樂團搞怪登場」


公視「高雄燈會開幕 環港煙火全國首見」
後半(50秒以降)で紹介されています。空から登場!


ところで、イベントの参加者も観るだけではなくて投票できると上で書いたけど、聯合報の記事(「電音三太子爭冠 票選可摸大獎」)には、「前往觀賞的民眾,現場可參加投票,選出最佳人氣的參賽隊伍,並有機會摸彩獲得42吋液晶電視、腳踏車等獎品。」とあります。イベント参加者は、42インチ液晶テレビや自転車などの賞品が当たる福引もあるってことですよね。そっちの方も白熱しそう???

タグ:電音三太子
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2011年02月13日

紐約紐約の解体

昨年9月の出張ネタです。

新光三越信義店フードコートの小南門豆花でおやつを食べた後、ぷらぷらと移動している途中に、紐約紐約の解体現場に出くわす。

紐約紐約(New York New York)って、わりに早い時期に信義区にできたショッピングセンター。できたてだった頃は、間違いなく台湾のおしゃれスポットの最先端。だから、ドラマのロケ地としても、よく使われていた。研究員Aは、やっぱり『流星花園』のロケ地として印象に残っている。ただこちら、お店としてはそんなに魅力がないな、と以前に一度訪れた時の印象。新光三越ができ、101ができ、周囲に次々と新しいお店が増える中、段々と輝きを失っていってるのかしら、という感じがした。

その紐約紐約が閉店するとの噂を目にしたのは、去年の夏頃だったと思う。気になって色々と検索したが、うまく情報が見つからず。改装のための一時的閉店なのか、完全閉店なのか、どっちかな、と確信が持てないままになっていた。

そして、そんな情報もすっかり忘れたまま出かけた昨年9月の台湾。ぷらぷらと歩く私の目に飛び込んできたのは、閉店セールの垂れ幕もそのままに、内部取り壊しが進む紐約紐約の姿。わ、やっぱり本当に閉店したんだ。取り壊すんだ。実感して、急にものすごく寂しくなった自分に、ちょっとびっくりする。

今ではそれなりの「ブーム」となった台湾ドラマ。その先駆けとなった『流星花園』に、私も心奪われた一人。あのべたべたの少女漫画的世界観、コテコテなノリ…。何でかしらと思いながら、自分でも不思議なくらい夢中になって見た。

当然のことだが、ドラマは終わる。出演者や製作者はそれぞれビッグになり、私は『流星花園』以外にも心奪われるものを、台湾でいっぱい見つけてきた。ブログまで始めた。気づけば『流星花園』を見てから、ずいぶん時間が経っていた。でも多分、『流星花園』に夢中になった想いは、今でもちゃんとどこかで生きている。台湾のどこかに行けば、同じようにそれに会える。私はそう思っていたのだろう。

普通に考えれば「たかが」ドラマ。「たかが」ロケ地。でも、それを見て感じた自分の想いというのは、いつまでたっても「ほんとのこと」。ストーリーは架空のものでも、そこで体験した自分の想いは本物。だからこそ「たかが」ロケ地がなくなってしまうだけで、こんなにも切なくなるのだろう。自分の大事なものが永遠に失われてしまったような気がして。

もちろん私は台北で暮らしているわけではない。そこで商売しているわけでもない。外側から観察して、気が向いたところだけ旅して、都合よく台北を消費するだけの観光客にすぎない。そんな人間が、なくなるショッピングセンターに対してあれこれ言うことは、傲慢なことなんじゃないだろうか。都合のよいことなんじゃないだろうか。そんなことも、一方で強く思う。

台湾を語るブログをやっていると、時々、不安になることがある。自分は都合よく他者を眺めてはいないか。美味しい所だけをつまみ食いして、大事な所から目を背けてはいないか。結局は「外の人」として、異質なものを享受しているだけなんじゃないか。紐約紐約の解体を見て、ショックを受ける自分。それを眺めながら、冷たく突っ込みを入れる自分。ちょっと混乱しながら、色んなことを考えてしまった。


なんだか本日は、異様に感傷的な内容になってしまって、スミマセン。ちなみに、紐約紐約、台湾wikipediaによると完全に閉店・取り壊しというわけではなく、改装して別経営母体によって運営されるとのこと。ロケ地の面影はなくなりそうですが、紐約紐約自体は存続するみたいです。新しくなった紐約紐約、次回訪問時にでもチェックしてこようかな。(で、またブログネタにする)。

posted by 研究員A at 00:35 | Comment(1) | TrackBack(0) | 旅行・観 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする