しかし、その一方で起こっていることがあります。日本への巨額の寄付の裏側で、こんな報道がみられます。
公視「日震捐款排擠效應 衝擊社福團體」
つまり、日本への寄付に多くのお金が流れてしまい、その結果として、台湾ローカルの小さい社会福祉団体への寄付が大きく減ってしまっているそうです。昨年のこの時期と比べて、おおむね2〜3割減とのこと。予算規模を考えると、「2〜3割減」って、そうした小規模の団体にとっては相当に厳しいことではないかと思うのですが…。
同様の記事は他にもみられます。以下のとおりです。
聯合報「錢流日本、發票銳減 社福寒冬」(3月27日)(リンク切れ)→ 記事の文面のコピーその1、その2
聯合報「捐款湧向日本 國內社福苦」(4月11日)(リンク切れ)→ 記事の文面のコピー
中央社「捐款流失 小社福快不行了」(4月17日)(リンク切れ)→ 記事の文面のコピー
もともと不景気で寄付が集まりにくくなっていたところに、昨年以来、八八水災・大陸の汶川の地震・そして今回の日本の地震の津波が続いて起こり、大きな災害が起こるとどうしても寄付のお金の流れはそちらに行ってしまう傾向があるため、多くの団体が大変苦労しているようです。ある団体は、寄付が減ってしまっているのに、その団体に援助を求める世帯はむしろ増加している、という状況だとか。
日本で暮らしている側からすると、多額の寄付はとてもありがたく感じる半面、いわば割を食ったそうした小さい団体に対しては、とても申し訳ない気持ちになります。上述のとおり、日本から台湾に感謝のメッセージを伝える広告を、台湾の新聞に載せようという試みが今進められていて、それはそれでとても意味のあることでしょう。でも、もしかしたら、日本から寄付にお礼をするやり方は他にもあって、それはこちらから台湾に寄付をすることなのかも?とも思いました。寄付には寄付を、という感じ?
知的障害者の支援をしている団体、貧しい子どもたちの教育支援をしている団体など、上の記事の中にはいろいろな団体が登場します。こうした団体の中には、日本以外にも、台湾の中にも、援助が必要なぐらいの弱者のグループや子どもたちがいて、寄付や援助を求めていることを忘れないで!と呼びかけているところもあるようです。日本→台湾の寄付の流れって、何とか生み出せないものなんでしょうか??? うーん…と、いろいろ頭をめぐっています。
※リンク切れのページについて、記事内容のコピーが掲載されているページへのリンクを追記しました。(2013年3月11日)