2017年06月23日

第28屆金曲獎・ノミネートリストの再チェック(前)

今週末、2017年6月24日(土)は「第28屆金曲獎」の発表日です(公式サイト)。毎年使っている説明を今年も繰り返すと、この金曲獎、「台湾のグラミー賞」としばしば言われる、台湾で最もメジャーな音楽賞です(同時に、選考に一癖あるともよく言われます)。明日発表されるのは、金曲獎の中の「流行音樂」(ポピュラー音楽)関連の諸部門です。

例年同様に、今回のエントリでは、発表前の復習として、ノミネートリストの再チェックをしてみます。過去の金曲獎については、以下のリンクをご参照: 2016年(ノミネートリスト(前)ノミネートリスト(後)結果)、2015年(ノミネートリスト結果)、2014年(ノミネートリスト結果)、2013年(ノミネートリスト結果)、2012年(ノミネートリスト結果)、2011年(ノミネートリスト結果)、2010年(結果の一部)。

以上、ほぼ例年のコピペです(すみません)。ではさっそく、以下長くなりますがご容赦を。


【演唱類】(ボーカル部門)

■年度專輯獎(ベストアルバム賞)
圍庄 Village Besieged﹙生祥樂隊﹚
醜奴兒﹙草東沒有派對﹚
最佳國語專輯獎入圍作品
最佳台語專輯獎入圍作品
最佳客語專輯獎入圍作品
最佳原住民語專輯獎入圍作品

今年から新設された部門(近い内容の部門は過去にもあり)。昨年までは、「ベスト國語アルバム賞」「ベスト台湾語アルバム賞」などの各部門ごとにベストアルバム賞があるだけでしたが、今回からそれらをまとめた全体でのベストアルバムを選出する賞が設けられました。國語・台語・客語・原住民語の各ベストアルバムのノミネート作品に、生祥樂隊と草東沒有派對のアルバムを加えた24作品から選ばれます。


■年度歌曲獎(ベストソング賞)
告白氣球《周杰倫的床邊故事》﹙周杰倫﹚
年輪說《年輪說》﹙楊丞琳﹚
蹦孔《釘子花》﹙伍佰﹚
我們的總和《說 艾怡良》﹙艾怡良﹚
頑固《自傳 history of Tomorrow》﹙五月天﹚
大風吹《醜奴兒》﹙草東沒有派對﹚
離心力 Centrifugal Force《離心力 CENTERIFUGAL FORCE》﹙楊乃文﹚
天真有邪《今日營業中》﹙林宥嘉﹚

例年にも増して、本当に強力でクオリティの高い作品ばかり。どれが獲るんでしょう? ひとまずここでは、林宥嘉の《天真有邪》を。日本からだと、小松菜奈出演、島田大介が監督というMVが注目されるかもしれませんが、曲も歌もクオリティが高いのが印象的。林宥嘉自身も、プロデューサーの荒井十一(荒井壯一郎)の力量もすごいです。

林宥嘉《天真有邪》



■最佳國語專輯獎(ベスト國語アルバム賞)
JTW 西遊記﹙方大同﹚
飛行器的執行週期﹙郭頂﹚
說 艾怡良﹙艾怡良﹚
自傳 history of Tomorrow﹙五月天﹚
末路狂花﹙魏如萱﹚
萬松嶺﹙許鈞﹚

ここもまた困るほどレベルの高いラインナップ。二つ紹介します。
一つは魏如萱。とんがり感を保持しながらポピュラーな浸透ぶりも達成する、本当に見事なアーティストになったwaa、今作もとても魅力的でした。カラフルなMVです。

魏如萱《‬i‭ ‬will be fine》


もう一つ、許鈞もご紹介。今回の金曲獎は台湾以外からのアーティスト(中国・香港)のノミネートが従来よりもさらに多い気がしますが、この許鈞も中国から。2015年の「中国好歌曲第二季」でベスト8入りしたシンガーソングライターとのことですが、歌も曲も説得力があります。

許鈞《萬松嶺的嬉皮士》



■最佳台語專輯獎(ベスト台湾語アルバム賞)
釘子花﹙伍佰﹚
台北直直撞﹙李英宏 aka DJ Didilong﹚
REBORN﹙滅火器﹚
舊年﹙謝銘祐﹚
台客電力公司同名專輯﹙台客電力公司﹚
董事長的少年時代﹙董事長樂團﹚

今年のこの部門のノミネート、例年以上に多彩で華やか(?)な気がします。昨年夏に代々木公園で行われた台湾フェスタで来日していた台客電力公司が、いきなりノミネートされていてびっくり。人気の李英宏もさっそくノミネートされています。どれを紹介するか迷いましたが、伍佰にしましょう! SKARAOKEを迎えた《釘子花》もいいのですが、悪党伍佰と取締官のョ雅妍が登場するこちらを。メーガンかっこいいです! ゆるさも素晴らしい。

伍佰 & China Blue《愛妳無目地 + 放浪舞者》



■最佳客語專輯獎(ベスト客家語アルバム賞)
光亮徬徨的閃耀年紀﹙二本貓﹚
百夜生﹙米莎×地下河﹚
笑笑仔世界﹙溫尹嫦;羅思容;林生祥﹚
桐花放客﹙楊淑喻; 吉那罐子﹚
我爸講海陸,我媽講四縣﹙陳瑋儒﹚

新発見が楽しみで毎年目が離せない客家語の部門、今年も充実です。文句なしのトップクオリティの二本貓、味わいのある米莎、かつてフジテレビ「ASIA VERSUS」にも登場した吉那罐子と、どれも掛け値なしに要注目。子ども向けの客家語の歌の教材として編集された《笑笑仔世界》も、これもこれで気になるけど、ここでは陳瑋儒を紹介。
陳瑋儒は、高校生のときに既に全国レベルのコンテストで入賞したり、その後公視のドラマ「熱血青春」でテーマソングを担当したりと活躍しかけたものの、ブレイクしきれずいろいろな経験を経て、2011年の客家語のオリジナルソングコンテストで入賞したのを機に、客家語での創作にシフトしていったとのこと。彼の両親は客家人だそうですが、彼自身は子どもの頃から客家語は話せず、後になって学び始めたようです(参照)。
今回ノミネートされたアルバム(2016年)のタイトルは「我爸講海陸,我媽講四縣」。台湾の客家語は、もともとの地理的な由来から複数の種類があるのですが(声調の違いがあるみたいです)、アルバムのタイトルは「父は海陸腔の客家語を話し、母は四縣腔の客家語を話す」というわけで、両親がそれぞれ異なる客家語を話しているということですね。
ここでは、アルバム収録のヴァージョンではないかもしれませんが、このタイトルチューン《我爸講海陸,我媽講四縣》の動画をはりつけておきます(映像は少し前のもので、弟と二人でやっていた青鳥合唱團のものだと思います)。二種類の客家語が続けて歌われる歌詞からは、20代になってから客家語を学び始めた彼の当惑と、でも客家語を学ぶことへの前向きな気持ちが伝わってきます!

陳瑋儒《我爸講海風,我媽講四縣》



■最佳原住民語專輯獎(ベスト原住民語アルバム賞)
桑布伊創作專輯 - 椏幹﹙桑布伊﹚
順著河流走﹙戴曉君﹚
郭明龍-Longer Story 創作專輯﹙郭明龍﹚
vavayan 女人﹙阿爆(阿仍仍)﹚
看月亮SADU KATA BUAN﹙馬詠恩與農男樂團﹚

今年の原住民アルバムも多彩なのですが、ここは阿爆を取り上げましょう。かつて阿爆&Brandyとして2004年に最佳演唱組合獎を受賞した阿爆が、昨年久々にリリースしたソロアルバムは、サウンドの原住民音楽らしさは希薄かもしれないけど、歌詞は全面的にパイワン族の言葉で、歌われている内容は現在の原住民女性の等身大の目線に徹しています。ステレオタイプ的な「伝統的」イメージではなく、原住民以外の人たちと同じ現代台湾社会に生きる原住民の姿を描こうというスタンスは、阿爆自身も出演していた原住民族電視台のコメディードラマ「米高級公寓」を思い出させます。
この《izuwa 有》の歌詞でも、子どもをおんぶして抱っこして農業にいそしんでいた世代の女性とはもう違う、今ではベビーシッターもいるし保育所もある、洗濯機もあるしマクドナルドもある、Facebookをチェックするのに忙しい……と歌われています。

阿爆 (阿仍仍)ABAO《izuwa 有》



■最佳音樂錄影帶獎(ベストミュージックビデオ賞)
拆《張三李四》﹙導演:彭o益;朱啟光;張錫安﹚:張三李四
床邊故事《周杰倫的床邊故事》﹙導演:周杰倫﹚:周杰倫
水星記《飛行器的執行週期》﹙導演:黃婕、﹚:郭頂
獨善其身《日常》﹙導演:比爾賈﹚:田馥甄
頑固《自傳 history of Tomorrow》﹙導演:陳奕仁﹚:五月天
Dust My Shoulders Off《張靚穎英文單曲Dust My Shoulders Off》﹙導演:廖人帥﹚:張靚穎

映像がユニークなMV、引き込まれるドラマを描くMVなど、どれも魅力的なのですが、ここでは昨年多数ノミネートされていた張三李四の《拆》のMVをご紹介。人形劇ですが、庶民の困難を歴史的なスパンをもって描いていて、見事なMVです。終盤には「大埔事件」を思わせる展開も(大埔事件については、以前のエントリで少し取り上げているのでご参考まで)。ただ、ストーリーとしてはなんだか救われない展開で、ちょっとしんどくもあり…。

張三李四《拆》



■最佳作曲人獎(最優秀作曲賞)
郭頂/淒美地《飛行器的執行週期》﹙郭頂﹚
艾怡良/我們的總和《說 艾怡良》﹙艾怡良﹚
五月天 怪獸/後來的我們《自傳 history of Tomorrow》﹙五月天﹚
草東沒有派對/大風吹《醜奴兒》﹙草東沒有派對﹚
魏如萱/你啊你啊《末路狂花》﹙魏如萱﹚
謝銘祐/下晡的ワルツ《舊年》﹙謝銘祐﹚
黃建為/離心力 Centrifugal Force《離心力 CENTERIFUGAL FORCE》﹙楊乃文﹚

佳曲いっぱいで、ここも何が受賞するのか気になりますが、草東沒有派對をご紹介。インディーズシーンではとにかく大変な反響を呼んで人気を集めた彼らですが、金曲獎でもこんなに多くの部門でノミネートされるとはびっくり。華やかとはいいがたいけど響いてくるこのスタイル、ぜひご一聴を。

草東沒有派對《大風吹》



■最佳作詞人獎(最優秀作詞賞)
吳青峰/年輪說《年輪說》﹙楊丞琳﹚
伍佰/蹦孔《釘子花》﹙伍佰﹚
郭頂/淒美地《飛行器的執行週期》﹙郭頂﹚
艾怡良/我們的總和《說 艾怡良》﹙艾怡良﹚
五月天 阿信/成名在望《自傳 history of Tomorrow》﹙五月天﹚
草東沒有派對/爛泥《醜奴兒》﹙草東沒有派對﹚
謝銘祐/彼卡皮箱《舊年》﹙謝銘祐﹚

作曲賞と重なる面々が多いけど、選ばれている曲が違っているのが興味深いです。ここでは、年度歌曲獎にもノミネートされている楊丞琳の《年輪說》をご紹介。吳青峰の歌詞はもちろんですが、レイニーのこの曲、とにかく何から何までクオリティがとっても高くて、実に見事だと聴くたびに思っています。

楊丞琳《年輪說》



残りの部門は、明日改めて! → 後半はこちら

タグ:金曲獎
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2016年06月26日

第27屆金曲獎・結果

「第27屆金曲獎」、昨晩受賞者がすべて発表されました(公式サイト)。既にネットの生中継や報道などでチェック済みの方も多いでしょうが、このエントリでは、改めて受賞者・受賞作品のリストを紹介しておきます。

なお、今回のノミネートリスト全体は、このエントリこのエントリで紹介しているので、あわせてどうぞ。
また、過去の金曲獎については、以下のリンクをご参照: 2015年(ノミネートリスト結果)、2014年(ノミネートリスト結果)、2013年(ノミネートリスト結果)、2012年(ノミネートリスト結果)、2011年(ノミネートリスト結果)、2010年(結果の一部)。


【演唱類】(ボーカル部門)

■最佳年度歌曲獎(ベストソング賞)
不要放棄Aka pisawad(母語版)《太陽的孩子 Wawa No Cidal 電影原聲帶》:舒米恩・魯碧

スミン受賞!!! 激戦の部門でしたが見事に受賞しました。これで、金馬獎と金曲獎の両方を受賞した作品になりました。それもすごい(おそらく初?)のですが、そもそも原住民の言語の歌が最佳年度歌曲獎を獲得したこと自体が、相当に画期的(これも多分初めて)なことなのではと思います。これを弾みに、映画『太陽の子』(太陽的孩子)の日本公開につながればいいのですが!

■最佳國語專輯獎(ベスト國語アルバム賞)
冬 未了:蘇打

最後は全部蘇打高ンたいな展開になった今年。強かった!

■最佳台語專輯獎(ベスト台湾語アルバム賞)
古倫美亞:陳建瑋

陳建瑋も強かった!

■最佳客語專輯獎(ベスト客家語アルバム賞)
異鄉人:黃子軒與山平快

黃子軒與山平快が受賞!
黃子軒は3年前にも、暗K白領階級のアルバム「回家的路」でこの部門で受賞しています。彼がメンバーだった暗K白領階級も發條人樂團もなかなかいいのですが、黃子軒與山平快になってからも、味わいのあるスタイルで好聽!です。父親が閩南人・母親が客家人の彼、どちらの言葉も大事にする姿勢は一貫しています。

黃子軒與山平快《平快車》


■最佳原住民語專輯獎(ベスト原住民語アルバム賞)
游:吳昊恩

吳昊恩が受賞しました! ダニエル・ホーのトリオを迎えた洗練されたサウンド、聴きほれてしまいます。

吳昊恩《成為你們的依靠》


■最佳音樂錄影帶獎(ベストミュージックビデオ賞)
如同悲傷被下載了兩次《如同悲傷被下載了兩次》/導演:談宗藩/陳珊妮 ft.林宥嘉

ノミネートリストのチェックで紹介したこのMVが受賞! サンディーは会場には不在でしたが、お見事でした。

■最佳作曲人獎(最優秀作曲賞)
林俊傑/不為誰而作的歌《實驗專輯 和自己對話》:林俊傑

強力なラインナップだった部門ですが、JJがさらっと受賞しました。お見事!

■最佳作詞人獎(最優秀作詞賞)
吳青峰/他舉起右手點名《冬 未了》:蘇打

■最佳編曲人獎(最優秀編曲賞)
蘇打香A林暐哲/痛快的哀艷《冬 未了》:蘇打

■最佳專輯製作人獎(最優秀アルバムプロデューサー賞)
林暐哲/冬 未了:蘇打

このあたり、軒並み蘇打濠ヨ連が受賞。強い!

■最佳單曲製作人獎(最優秀シングルプロデューサー賞)
陳建騏/大齡女子《大齡女子》:彭佳慧

ここ数年、本当に大忙しとしか思えない陳建騏、しっかり受賞です。

■最佳國語男歌手獎(最優秀國語男性シンガー賞)
林俊傑/實驗專輯 和自己對話

やはりJJでした。頭一つ抜けてましたね。

■最佳國語女歌手獎(最優秀國語女性シンガー賞)
彭佳慧/大齡女子

AMITかターニャか、とみんなが思っていた中、見事にジュリア・パンが受賞! 20年近いキャリアでついに受賞ということで、さぞ感慨深かったことでしょう。MVはノミネートリストのチェックのときに紹介しています。

■最佳台語男歌手獎(最優秀台湾語男性シンガー賞)
陳建瑋/古倫美亞

陳建瑋も強かった!その2。

■最佳台語女歌手獎(最優秀台湾語女性シンガー賞)
黃妃/黃妃-無字天書

黃妃が受賞! 台湾語歌謡はやはりこうでなきゃ、というスタイルをしっかりキープ、相変わらず歌は本当に上手です。このコミカルなMVをご紹介。

黃妃《小飛俠》


■最佳客語歌手獎(最優秀客家語シンガー賞)
羅文裕/驚喜時刻

羅文裕獲りました! ノミネートリストのチェックで紹介したMV、ぜひ一度ご覧あれ!

■最佳原住民語歌手獎(最優秀原住民語シンガー賞)
巴ョ(高仲杰)/古老的透明

巴ョが受賞! 7月末には来日予定があるので、楽しみです。

■最佳樂團獎(最優秀バンド賞)
蘇打香i吳青峰、 謝馨儀、 劉家凱、何景揚、龔ト祺、史俊威)/冬 未了

やはり蘇打香B強い…。

■最佳演唱組合獎(最優秀ユニット賞)
張三李四(張錫安、李百罡、黃昺翔、馬捲ワ)/張三李四

ここ、張三李四が受賞しました! すごい! 次作以降、大変かもしれませんが期待!

■最佳新人獎(最優秀新人賞)
謝震廷/謝震廷/ 查理 PROGRESS REPORTS

激戦の部門でしたが、一人選ぶならやはり彼でしょう、という謝震廷がしっかり受賞。彼は10年後・20年後も楽しみですね!


【演奏類】(インストゥルメンタル部門)

■最佳專輯獎(ベストインストゥルメンタルアルバム賞)
Simple Life:楊曉恩、Lou Rainone、林煒盛、落合誠治

ここは本格派のジャズサックスプレイヤー・楊曉恩(Shawna Yang)が受賞。アルトサックスの響きがかっこいいです。8月に来日予定あり(大阪富山)!

楊曉恩《Simple Life》


あと、受賞はならなかったのですが、この部門にノミネートされていたBAZAARもご紹介。中東音楽にインスパイアされたジャズで、なかなかユニークです。

Bazaar《Seramik》


■最佳專輯製作人獎(ベストインストゥルメンタルアルバムプロデューサー賞)
林強/刺客聶隱娘電影原聲專輯

映画『黒衣の刺客』サントラが受賞。

■最佳作曲人獎(ベストインストゥルメンタル作曲賞)
黃裕翔/高鐵小旅行《聽見 黃裕翔》:黃裕翔

『光にふれる』の黄裕翔が受賞。この曲の収録アルバム「聽見 黃裕翔」については、ドラマ仕立てのMVがあるのでご紹介。共演は王柏傑、冒頭に桂綸鎂のナレーションも。黄裕翔、相変わらず俳優としても独特の味わいがあります。監督は、多くのMVの監督をしている呂來慧。

黃裕翔「聽見 黃裕翔」聽見風MV


■最佳專輯包裝獎(ベストアルバムパッケージ賞)
林緯銘 Weiming Lin/一切不滅定律:昏鴉

昏鴉 The Murky Crowsのアルバム「一切不滅定律」が受賞。台北の6人組インディーズバンドのようです。なかなか独特の雰囲気があり、ちょっと気になります。

昏鴉 The Murky Crows《我們如此超群絕倫怎能居於世俗所見》


■最佳演唱錄音專輯獎(ベスト録音賞:ボーカルアルバム)
光凍(主要錄音人員:李游、竇如意、張博、顏仲坤/主要混音人員:Howie、Joe Hirst/主要母帶後製人員:Ray Stuff):崔健

なんと崔健!

■最佳演奏錄音專輯獎(ベスト録音賞:インストゥルメンタルアルバム)
奇人密碼:古羅布之謎|電影原聲帶(主要錄音人員:楊敏奇、李兆陽、吳榮恩、林孝親、朱敬然、陳以霖、柯宗佑、江松松、楊邦昊/主要混音人員:楊敏奇、Craig Burbidge、王俊傑(小K)、Simon Li/主要母帶後製人員:孫仲舒)

全然知らないアルバムでしたが、なんとこれにも多忙な陳建騏は関わっていたようです。

以上、受賞結果には特にコメントはありませんが(!)、今年ノミネートされた諸作品は大変充実していて、十分満喫させてもらった感があります。台湾(にとどまりませんが)のミュージックシーンの活力を、大いに味わえた金曲獎でした!

posted by 研究員B at 23:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月25日

第27屆金曲獎・ノミネートリスト再チェック2

第27屆金曲獎・ノミネートリストの再チェック(後)

今週末、6月25日(土)は「第27屆金曲獎」の発表日です(公式サイト)。前回のエントリに引き続き、発表前の復習として、ノミネートリストの再チェックをしてみます。今回は後半、個人への賞やインストゥルメンタル音楽などの諸部門です。

【演唱類】(ボーカル部門)……の続き

■最佳作曲人獎(最優秀作曲賞)
陳建瑋/K鳥《古倫美亞》:陳建瑋
蔡健雅/失語者《失語者》:蔡健雅
林俊傑/不為誰而作的歌《實驗專輯 和自己對話》:林俊傑
吳青峰/下雨的夜晚《冬 未了》:蘇打
JerryC/小幸運《我的少女時代》:田馥甄

強力なラインナップが並ぶ部門。これもどれが獲ってもおかしくないかも。

■最佳作詞人獎(最優秀作詞賞)
謝銘祐/生份的情歌《古倫美亞》:陳建瑋
武雄/拆《張三李四》:張三李四
陳仨/母系社會《AMIT2》:AMIT
吳青峰/痛快的哀艷《冬 未了》:蘇打
吳青峰/他舉起右手點名《冬 未了》:蘇打

ここも動向が気になる部門。青峰はさすがの2曲ノミネート。

■最佳編曲人獎(最優秀編曲賞)
陳建瑋、陳君豪、Jakub Kubi Groos、奧迪、李達文/Would you be my girl《古倫美亞》:陳建瑋、大支
許郁瑛、盧律銘/給提姆波頓先生的一封信《搖擺電力公司》:許哲珮
趙兆/深海之尋《李健 第六張 創作專輯》:李健
常石磊、安棟/活著是最好的死亡《失語者》:蔡健雅
蘇打香A林暐哲/痛快的哀艷《冬 未了》:蘇打

またまた実力派ぞろいの部門。
たくさんノミネートされていて、さんざん他の部門でも名前が出ていますが、ようやく陳建瑋を取り上げましょう。多くの歌手に曲を提供しプロデュースをしてきた彼、満を持してリリースしたファーストアルバムが2年前の金曲獎で2部門受賞、そして今回、第2作の《古倫美亞》はさらに多数の部門でノミネート。この部門では、ラッパーの大支をフィーチャーしたチューンが選ばれています。陳建瑋、スタイル幅広い!

陳建瑋 Feat.大支《Would you be my girl》



■最佳專輯製作人獎(最優秀アルバムプロデューサー賞)
許哲珮、王希文/搖擺電力公司:許哲珮
阿弟仔、AMIT/AMIT2:AMIT
安棟、蔡健雅/失語者:蔡健雅
林俊傑/實驗專輯 和自己對話:林俊傑
林暐哲/冬 未了:蘇打

ここも本当に強力な面々ですが、許哲珮がプロデューサーとしてここに食い込んだのはすごいと思います。

■最佳單曲製作人獎(最優秀シングルプロデューサー賞)
蕭賀碩/呷飽未《台灣美樂地》:蕭賀碩
謝震廷、蔡政勳/燈光《謝震廷/ 查理 PROGRESS REPORTS》:謝震廷
趙兆/深海之尋《李健 第六張 創作專輯》:李健
陳建騏/練習失去《一半。萬芳的小劇場》:萬芳
陳建騏/大齡女子《大齡女子》:彭佳慧

派手さはないかもしれないけど、蕭賀碩・萬芳・彭佳慧などのノミネートが注目される、なかなか興味深い部門。

■最佳國語男歌手獎(最優秀國語男性シンガー賞)
黃明志/亞洲通殺2015
李健/李健 第六張 創作專輯
柯智棠/你不真的想流浪
Matzka/東南美
林俊傑/實驗專輯 和自己對話

JJが強そうですが、黃明志・Matzka・柯智棠のような新しい顔ぶれも。ご紹介するのはMatzka。これも張三李四とはちょっと違うけど、パワフルめのおじさん賛歌だよな。

Matzka《大叔》


■最佳國語女歌手獎(最優秀國語女性シンガー賞)
許哲珮/搖擺電力公司
小霞/小霞
蘇運瑩/冥明
AMIT/AMIT2
蔡健雅/失語者
彭佳慧/大齡女子

AMITとターニャが軸なんでしょうが、でもこの部門もなかなかみんな強力です。新人賞以来の、本当に久々のノミネートとなった彭佳慧(ジュリア・パン)のMVをご紹介。藍心湄が熱演しています!

彭佳慧《大齡女子》


■最佳台語男歌手獎(最優秀台湾語男性シンガー賞)
陳建瑋/古倫美亞
陳雷/懷念你媽媽
許富凱/許富凱-少年夢
荒山亮/為你活下去
流氓阿コ/無路用的咖小

結構多彩な今年のこの部門のラインナップ、音楽シーンから離れていた流氓阿コが久々にリリースしたアルバムから、タイトルチューンを紹介しましょう。

流氓阿コ《無路用的咖小》


■最佳台語女歌手獎(最優秀台湾語女性シンガー賞)
秀蘭瑪雅/秀蘭瑪雅-天頂星
黃妃/黃妃-無字天書
曹雅雯/曹雅雯-一生平安
江惠儀/緩緩愛

今年は台語男歌手に比べて、こちらのコテコテ度がやや高い気が…。でも歌がうまい人が多いです。この中から、ショートカットにして雰囲気が変わった正統派、江惠儀の歌声を。

江惠儀《緩緩愛》


■最佳客語歌手獎(最優秀客家語シンガー賞)
秋林/大嶺腳下
羅文裕/驚喜時刻
iColor愛客樂/靚靚
黃子軒與山平快/異鄉人

最佳客語專輯獎(ベスト客家語アルバム賞)と同じ面々。

■最佳原住民語歌手獎(最優秀原住民語シンガー賞)
吳昊恩/游
巴ョ(高仲杰)/古老的透明
少妮瑤.久分勒分/從未離開

巴ョがノミネート! 都会の原住民の思いを歌い上げる少妮瑤もユニークです。

■最佳樂團獎(最優秀バンド賞)
麋先生(吳聖皓、林譜タ、張以諾、盧逸凡、余柏羲)/沒名字的人類
io樂團(Hans陳思翰,Angus陳逸年,Cody潘國笙)/III
宇宙人(林忠諭(小玉)、陳奎言(阿奎)、方奎棠(方Q))/一萬小時(10000 hours)
脫拉庫(國璽、老佑、阿吉、小凡、江爆)/賀爾蒙先生
旺福(姚浚民、謝謹如、古欣玉、杜秉鴻)/阿爸我要當歌星
蘇打香i吳青峰、 謝馨儀、 劉家凱、何景揚、龔ト祺、史俊威)/冬 未了

この部門はどうなるか大変気になる!
どうせなら、他でもたくさんノミネートされている蘇打高カゃないバンドが受賞すると面白いんだけどな。過去三回ノミネートされながらも、まだ受賞していない旺福を応援! また日本に来て!

旺福《阿爸我要當歌星》


■最佳演唱組合獎(最優秀ユニット賞)
cozy diary_輕日記(小路、楊子霆)/好好過生活
嬉班子(江鳥(江季鴻)、李冠澐、許文馨、鄭宇孝、林怡帆、楊青樺、唐郁茹、劉美玲、李兆蘋、李函霓、高于敬)/那些非洲人教我的事
玖壹壹(陳皓宇、廖建至、洪瑜鴻)/玖肆伍叁
張三李四(張錫安、李百罡、黃昺翔、馬捲ワ)/張三李四

ここも気になる部門。ノミネートラッシュの張三李四や、話題の玖壹壹も注目だけど、出そうでなかなか出なかったフルアルバムを昨年ついにリリースしたcozy diary_輕日記を。

cozy diary_輕日記《我想變成我》


■最佳新人獎(最優秀新人賞)
Hello Nico/熟悉的荒涼
謝震廷/謝震廷/ 查理 PROGRESS REPORTS
柯智棠/你不真的想流浪
岑寧兒/here
張三李四/張三李四
蘇運瑩/冥明
熊仔/∞ 無限

激戦区! ノミネート多数ながらどれも強力で、新人の部門とは思えぬ高いレベルの争い。紹介するのは柯智棠。魏如萱のいとこだという彼、ハスキーボイスの英語詞が耳に残ります。「It Was May」ではなく、ユニークなMVでもあるこちらを。思わず口ずさみそう。

柯智棠《Me and My Candy House》



【演奏類】(インストゥルメンタル部門)

■最佳專輯獎(ベストインストゥルメンタルアルバム賞)
Simple Life:楊曉恩、Lou Rainone、林煒盛、落合誠治
GRAND BAZAAR:BAZAAR
聽見 黃裕翔:黃裕翔
SEMIFUSA同名專輯:SEMIFUSA室內樂團
灣生回家:鍾興民

■最佳專輯製作人獎(最優秀インストゥルメンタルアルバムプロデューサー賞)
楊曉恩/Simple Life:楊曉恩、Lou Rainone、林煒盛、落合誠治
呂聖斐、董舜文/6:無限融合樂團
林強/刺客聶隱娘電影原聲專輯
余佳倫、應奇軒/SEMIFUSA同名專輯:SEMIFUSA室內樂團
鍾興民/灣生回家:鍾興民

■最佳作曲人獎
楊曉恩/Simple Life《Simple Life》:楊曉恩、Lou Rainone、林煒盛、落合誠治
黃裕翔/聽見風《聽見 黃裕翔》:黃裕翔
黃裕翔/高鐵小旅行《聽見 黃裕翔》:黃裕翔
張宜蓁/瑚姬舞《刺客聶隱娘電影原聲專輯》:笛子 邱奕興、笙 楊智博、揚琴 李孟學、打擊 鄭雅心、打擊 馬儁人、中亞弦樂 張宜蓁、烏コ琴 阿樂蹦・貴妃
李欣芸 CinCin Lee/海上情書 Love Letter Over the Sea《李欣芸與陳瑞斌的海上情書》:李家豪、曾智弘、黃日昇、保卜

毎年充実しているのにもなかなか紹介できないインストゥルメンタル部門ですが、今年も充実しています。『黒衣の刺客』や『湾生回家』などの映画もの、本格派の女性ジャズサックスプレイヤー・楊曉恩、コンスタントにリリースを続けているジャズ/フュージョンバンドの無限融合樂團、いつもハイクオリティな作品を出し続けている李欣芸、そして『光にふれる』の黄裕翔などなど、どれも気になりますが、今回はSEMIFUSA室內樂團をご紹介。

SEMIFUSA室內樂團は、6人の弦楽器の女性演奏家のグループ。パーカッシヴな弦の使い方を積極的にするリズミックなスタイルで、DJを入れてみたり、なかなか個性的で面白いです。各メンバーは、さまざまなアーティストのバックでの演奏経験があるようです。「SEMIFUSA」とはスペイン語で64分音符のことなのだとか。彼女たち、各種イベントや結婚式でも演奏してくれるらしいので、ご関心の向きは公式サイトからお問い合わせを!

SEMIFUSA《Let The Groove Begin》



以上の他にも、ジャケット/パッケージや録音の賞もあるのですが、以下リストのみ載せておきます。何が受賞するかよりも、ノミネートリストの多彩さと新しい発見が毎年楽しい金曲獎、今年も楽しませてもらいました(って授賞式はこれからですが!)。

■最佳專輯包裝獎
吳建龍/張三李四
林緯銘 Weiming Lin/一切不滅定律
黃家賢/賀爾蒙先生
方序中/東南美
趙奕翔/GIGO
聶永真/邱月雲小姐收

■最佳演唱錄音專輯獎
新的心跳(主要錄音人員:Peter Roberts、Lupo Groinig、Strawberry/主要混音人員:Richard Furch、George Dum/主要母帶後製人員:Reuben Cohen)
光凍(主要錄音人員:李游、竇如意、張博、顏仲坤/主要混音人員:Howie、Joe Hirst/主要母帶後製人員:Ray Stuff)
AMIT2(主要錄音人員:陳文駿、陳振發/主要混音人員:樊乃綱/主要母帶後製人員:Joe LaPorta)
失語者(主要錄音人員:Kyle Hoffmann/主要混音人員:安棟、Richard Furch/主要母帶後製人員:John Davis)
愛上自己/台灣太陽娛樂有限公司 (主要錄音人員:周志豪、葉育軒/主要混音人員:王俊傑、林正忠/主要母帶後製人員:Chris Gehringer)

■最佳演奏錄音專輯獎
奇人密碼:古羅布之謎|電影原聲帶(主要錄音人員:楊敏奇、李兆陽、吳榮恩、林孝親、朱敬然、陳以霖、柯宗佑、江松松、楊邦昊/主要混音人員:楊敏奇、Craig Burbidge、王俊傑(小K)、Simon Li/主要母帶後製人員:孫仲舒)
長橋(主要錄音人員:鄭李守信/主要混音人員:陳振發/主要母帶後製人員:王家棟)
Simple Life(主要錄音人員:Kyle Cassel/主要混音人員:Dave Darlington/主要母帶後製人員:Dave Darlington)
自己的房間(主要錄音人員:Todd Carder、Pat Noonan (The Bunker Studio)/主要混音人員:Brian Montgomery、魏毓鮮/主要母帶後製人員:Systems Two Recording Studio)
SEMIFUSA同名專輯/SEMIFUSA室內樂團(主要錄音人員:余佳倫/主要混音人員:余佳倫/主要母帶後製人員:Jeff Lipton、Maria Rice)

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2016年06月24日

第27屆金曲獎・ノミネートリスト再チェック1

第27屆金曲獎・ノミネートリストの再チェック(前)

今週末、2016年6月25日(土)は「第27屆金曲獎」の発表日です(公式サイト)。毎年使っている説明を今年も繰り返すと、この金曲獎、「台湾のグラミー賞」としばしば言われる、台湾で最もメジャーな音楽賞です(同時に、選考に一癖あるともよく言われます)。明日発表されるのは、金曲獎の中の「流行音樂」(ポピュラー音楽)関連の諸部門です。

例年同様に、今回のエントリでは、発表前の復習として、ノミネートリストの再チェックをしてみます。過去の金曲獎については、以下のリンクをご参照: 2015年(ノミネートリスト結果)、2014年(ノミネートリスト結果)、2013年(ノミネートリスト結果)、2012年(ノミネートリスト結果)、2011年(ノミネートリスト結果)、2010年(結果の一部)。

以上、ほぼ例年のコピペです(すみません)。ではさっそく、以下長くなりますがご容赦を。


【演唱類】(ボーカル部門)

■最佳年度歌曲獎(ベストソング賞)
不要放棄Aka pisawad(母語版)《太陽的孩子 Wawa No Cidal 電影原聲帶》:舒米恩・魯碧
母系社會《AMIT2》:AMIT
不為誰而作的歌《實驗專輯 和自己對話》林俊傑
下雨的夜晚《冬 未了》:蘇打
小幸運《我的少女時代》:田馥甄

昨年11月に、金馬獎の最佳原創電影歌曲(最優秀映画主題歌賞)を競った2曲(「不要放棄」と「小幸運」)が気になるけど、他もすべて強力なラインナップ。どれが獲ってもおかしくない気がします。
ここでは、近々東京で上映企画もある、鄭有傑監督《太陽的孩子》(「太陽の子」)の主題歌・舒米恩の「不要放棄」をご紹介。アミ語のヴァージョンです。

舒米恩《不要放棄Aka pisawad》



■最佳國語專輯獎(ベスト國語アルバム賞)
搖擺電力公司:許哲珮
謝震廷/ 查理 PROGRESS REPORTS:謝震廷
AMIT2:AMIT
失語者:蔡健雅
冬 未了:蘇打
∞ 無限:熊仔

さすがベスト國語アルバム賞!という強力な面々が並ぶ中、ノミネートされた謝震廷と熊仔はかなりすごい気が。謝震廷、「超級星光大道」や吳汶芳との「Double 2 樂團」などを経て、ついにここまで来るとは、なんとも感慨深い…。というわけで、彼の動画を。

謝震廷《燈光》



■最佳台語專輯獎(ベスト台湾語アルバム賞)
台語新浪潮:荒山亮
歌聲進鄉團:施文彬
古倫美亞:陳建瑋
張三李四:張三李四
緩緩愛:江惠儀

実力派が並んでいますが、そんな中、新人でノミネートされた(それどころか、今回多数の部門でノミネートされていてびっくり!)張三李四が個人的には注目です。眷村出身の4人組が台湾語で歌う、文字通りのおじさん賛歌は(私がおじさんなせいもあって?)しみじみ耳に残ります。おーじっさん!ほんだらー!

張三李四《歐吉桑乎乾啦》



■最佳客語專輯獎(ベスト客家語アルバム賞)
大嶺腳下:秋林
驚喜時刻:羅文裕
靚靚:iColor愛客樂
異鄉人:黃子軒

掘り出し物がよく登場するので毎年目が離せない客家語の部門、今年は羅文裕をご紹介。といっても、彼は掘り出し物というには既にキャリアも長く、いい作品も多いシンガーソングライターで、またさまざまなアーティストに曲を提供し(例えば言承旭の《我是真的真的很愛你》)、林俊傑との交流が深いことでも知られているかもしれません。

そんな羅文裕の昨年リリースの新作も、佳曲がいろいろあるのですが、ここで取り上げるのは、ちょっとコミカル?な《請說客語》。007風の音とMVですが、歌っているうちに客家語が身につくかもしれない?というもの。かつて学校で國語が強制されていた時代、他の言葉を話してしまったら、首に「請說國語」と書かれた板をかけられてしまうということがあったのですが、それをもじった「請說客語」がタイトルになっています。MV中では、「助けてー」と國語で言っても気づかれないけど、客家語で言ったら羅文裕が助けに来てくれます(笑)。最後に出てくるのが、客家の食材の豆乾なのも面白いです。

女主角を演じているのは、超級星光大道に出演するなどの歌手活動や、最近ではストリートでのドラムプレイで知られている陳曼青VelaBlue。彼女は父親が客家人(母親がアミ族)だそうです。

羅文裕《請說客語》



■最佳原住民語專輯獎(ベスト原住民語アルバム賞)
自由的旅程:蘇瓦那與CMO樂團
游:吳昊恩
大巴六九部落傳唱歌謠:大巴六九

かつて家家と「昊恩家家」で活動していた吳昊恩も気になるのですが、この部門からは蘇瓦那與CMO樂團を取り上げたいと思います。蘇瓦那(李志偉)はアミ族の歌手で、2010年に創造音樂室內樂團(Creating Music Orchestra: CMO)を他の二人のアミ族の若者と結成。この「蘇瓦那與CMO樂團」はその発展形で、現在は原住民と漢族が半々の構成だそうです。蘇瓦那は3年前には、アカペラグループ・歐開合唱團の一員として金曲獎を受賞しています(受賞した《O-Kai A Cappella》、いい作品でした;現在は歐開合唱團からは離れているようです)。

蘇瓦那與CMO樂團は、さまざまな背景の音楽を巧みに共存させてオリジナルなものを生み出そうとしているようで、原住民の音楽だけでなく、ジャズやクラシックなどさまざまな要素が入った音楽を聴かせます。弦楽器の導入はなかなか興味深いです。生で聴いてみたい! とても印象的なこの曲を:

蘇瓦那與CMO樂團《Kao'ripan no kilang 生命樹》



■最佳音樂錄影帶獎(ベストミュージックビデオ賞)
盛夏光年《盛夏光年》/導演:蘇建益/五月天
如同悲傷被下載了兩次《如同悲傷被下載了兩次》/導演:談宗藩/陳珊妮 ft.林宥嘉
I'm Not Yours《呸》/導演:陳奕仁/蔡依林
I am alive feat. Jason Mraz《新地球》/導演:劉耕名/林俊傑
我想知道你的一切《機會與命運》/導演:陳宏一/HUSH

ユニークなMVがずらりと並んでいますが、この中で一つあえて選ぶなら…ということで、陳珊妮 ft.林宥嘉の《如同悲傷被下載了兩次》を。歌詞を映すこととページをめくることの融合は、MVではときどきみられるアイディアですが、このMVもかなり工夫がされています。

陳珊妮 ft.林宥嘉《如同悲傷被下載了兩次》



残りの部門は、明日改めて! → 後半はこちら


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2016年06月23日

「台湾の音楽フェスへ行こう!」這・世界音樂節

「台湾の音楽フェスへ行こう!」3日目・這・世界音樂節

虎ノ門の台湾文化センターによるトーク&ライブイベント「台湾の音楽フェスへ行こう!」、3日間のレポをまとめるシリーズ、今回は3日目(6月13日)のレポです(1日目・2日目のレポはそれぞれこちらこちら)。

この日は、前2日に比べかな〜り“濃さ”がにじみ出る企画でしたが、大変楽しく興味深く、前2日に負けない充実の内容でした。楽しさという点では3日間で最高だったかも。あー楽しかった。

この日のテーマは、「這・世界音樂節」Facebook)。台湾文化センターのページによると、2015年12月に初めて開催された、「台湾初のワールド・ミュージックに特化した音楽フェスティバル」で、「台湾原住民や客家を初め、アジア各地のエスニックな音楽アーティスト」を招いたものだそうです。この日、原住民と客家のアーティストがライブに登場するのはこのフェスをふまえていたからですね。

ただし!!この日のトークでは、このフェスについてはほとんど(まったく?)言及されませんでした(笑)! ではどうだったかというと…

この日のトークで登場したのは、這・世界音樂節のオーガナイザー・張四十三。個性的な作品を多数リリースしている台湾のレーベル「角頭音樂」公式サイト)を率いている人物です、また、今回の一連の企画では取り上げられていませんが、台湾で最も有名な音楽フェスの一つ「貢寮國際海洋音樂祭」(2000年〜)を立ち上げた人でもあります。(あと、今回は話題に出ませんでしたが、以前からずっと観たい!と思っている舞台劇+映画の《很久沒有敬我了妳》Facebook予告編動画)のプロデュースも担当していました。)

缶ビールを持って登場した張四十三、まず始めたのは、ある日本の若者の捜索依頼(笑)でした。詳細は略しますが、この話題で盛り上げ(!)オーディエンスの心をぐっとつかんだ後は、彼が率いるレーベル「角頭音樂」の紹介。25cm×25cmの紙ジャケット入りの角頭音樂のCDは、台湾のCDショップを訪れた人なら見おぼえがあるかもしれません。「やくざの親分(K社會老大)」という意味の「角頭」をレーベルの名前に選んだのはなぜか(かつて角頭になりたいと思っていたけどなれなかった、だから音楽で「角頭」をめざそうと思った、と!)など、ノリよく本題に沿っているようないないような話を展開して、どんどん会場を盛り上げていきます。原住民音楽の佳作を多数リリースしていることで知られる「角頭音樂」ですが、日本のアーティストなど幅広い音楽を紹介してます。でも、この日紹介された、(新たに台北駐日経済文化代表処駐日代表に就任した)謝長廷のオカリナのCD(!)なんてものまでリリースしているのは知りませんでした!

その後、どうやら張四十三がこの日一番話したかったらしい話題へ。それは、彼が企画した来月開催の「金光舞台車閃閃嘉年華」の紹介と勧誘(笑)、でした。

その前段として、彼が解説したのは、台湾のお祭り(だけではないのですが)に登場する華やかな山車(といっていいのか)の変遷です。「傳統藝閣車」→「電子琴花車」(元はトラック、荷台部分で歌い踊れる)→「貨櫃舞台車」(開くとステージになる)という展開を画像を見せながら説明し(どんなものか気になる方は検索してみてください!)、さらに「吉普鋼管車」(ジープの屋根にポールを設置してそこでポールダンスをする!)などまで動画で紹介していました。ご存じの方はご存じの、台湾南部のコテコテカルチャーです。

で、7月9日に台北・市政府前で開催される「金光舞台車閃閃嘉年華」Facebook)では、この「貨櫃舞台車」を台湾中から市政府前に30台(!)集結させ、西樂隊の演奏、鋼管女郎のポールダンス、小吃などが楽しめるというもの。また台客ロックのライブもあり、濁水溪公社・董事長樂團・四分衛・流氓。阿コ・Skaraokeという納得の面々が登場します。コテコテカルチャー全面展開のこのイベント、かな〜り気になりますが、張四十三はとにかくこのイベントをプッシュしていて、即刻フライトと宿泊を予約せよ!と繰り返し強調していました(笑)。

というわけで、この張四十三のトークは非常に面白かった! 彼の話術も、持ち出されるネタのユニークさや強烈さもすごかったのですが、同時に強く感じたのは、ただそれだけではない話だったということです。話の要所要所で、原住民の社会的位置にふれたり、彼自身の親の話を持ち出したりするなどして、一見びっくりなネタであっても、具体的な生活実感に結びつけて語られていたように感じました。だからこそ、コテコテ南部風のネタ各種も、笑いを誘うだけの話ではなく、どれもいわば血の通った話として伝わっていたように思います。だからこそ、本当に面白い話でした。
ちなみに、「貨櫃舞台車」の写真の展示会を9月下旬に台湾文化センターで開催するとのこと。気になります!

続いてはライブ、最初に登場したのは查勞.巴西瓦里Facebook)。查勞は去年(2015年)の金曲獎で最佳原住民語專輯獎(ベスト原住民語アルバム賞)を受賞した、アミ族の歌手です。受賞作収録曲のMVで聴いていた彼の音楽は、マダガスカルやスペインのテイストが交じり合う、洗練された印象だったのですが、生の查勞はいい意味で洗練とは違いました(笑)。なかなかストレートにパンチのある歌い手で、ニコニコしながらて実にノリよく、オーディエンスを積極的に巻き込みつつ盛り上げて歌ってくれました。原住民音楽の枠を超えるぐらいの勢いは確かにあり、楽しめました。
改めて、MVをはりつけておきます。

查勞‧巴西瓦里《藤 Rattan》


次に登場したのは、ベテランの客家の歌手で、新寶島康樂隊のメンバーでもある、黃連U(Ayugo: Facebookwikipedia)。この3日間で一番のベテランの登場!と思ったけど、なぜか微妙に緊張して落ち着かない様子。実際ご本人も緊張していると言っていて、ギターが微妙な瞬間もありました(笑)。まあ、いつもはバンドを従えての登場なので、彼ひとりというのはあまりないのは確かかも。
とはいえ、歌声の見事さは間違いなく本物。一曲ごとに徐々に調子を上げ、最後の「山歌一條路」は実に素晴らしく、聴き入ってしまいました。新寶島康樂隊でも来日してほしいものです。
というわけで、その「山歌一條路」のMVをはりつけておきましょう。

黃連U「山歌一條路」



以上、期待以上に楽しい夜でした! 日本で体験できる企画としては本当に貴重で、満足満足。関係者のみなさんにはほんと感謝です。

最後に、すべて終了後の、リラックスしたオヤジ3人の図を!

20160613.JPG

posted by 研究員B at 01:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする