2015年03月15日

台湾インディーズ動画(2015年1〜3月分)

台湾インディーズの動画(2015年1月〜3月ツイート分)

当研究所のtwitterで【台湾インディーズ】の動画を紹介するツイートを、不定期につぶやいています。「お勧めのものだけではなく、まあご参考まで程度のものや、何これちょっと見てよ的なものまでいろいろですが、需要があるかどうかはわからないけど」という考えで始め、長期中断もしつつも、じんわり続けています。

で、ツイートした動画が5〜6点たまった時点で、ブログのエントリにまとめています。今回は、2014年4月ツイート分2014年5〜6月ツイート分2014年12月〜2015年1月ツイート分の過去3回に続く、4回目のエントリ。今回も過去のものと同様に、ツイートした順にただ並べただけで、台湾インディーズという以外は特につながりのないラインナップですが。少しでも気になるものがあれば何よりです。ではさっそく…


【柯泯 「遊樂」】(2015)

12月に台北のCD店のインディーズのコーナーで、間違いなく最も存在感があった柯泯 Misi Ke(Facebook)のアルバムから、1月にようやく公開された最初のMV。陳綺貞でもなく張懸でもなく魏如萱でもない、独特の力強さと説得力。見事です。




【Cicada 「湖面的盡頭 Lake's End」】(2015)

台湾でポストクラシカルといえば、文句なしにこの人たち、という存在のCicadaFacebook)。2009年の結成以来、メンバーチェンジを経ながらも活動を継続。江致潔(ピアノ)以下、ヴァイオリン・チェロ・ギターの構成で描く華麗で力強い響きに、いつも聴きほれてしまいます。日本に来てくれないかなあ。




【以莉.高露 「美好時刻」】(2015)

アミ族の女性歌手・以莉.高露Facebook)の、金曲獎で華やかな受賞を成し遂げた『輕快的生活』に続くセカンドアルバム収録予定の曲。こんなにシンプルでさりげないのに、実に上質。彭書禹のギターも素晴らしい。詞は國語。
ところでこの以莉.高露、製作中のセカンドアルバムへの出資をネットで募集中。彼女は宜蘭縣南澳鄉で有機農業を実践しつつ音楽活動をしているので、出資の金額次第で、彼女がつくった無農薬の米や飛魚の燻製がもらえたり、南澳での一日生活体験などができる!




【Crispy脆樂團 「色香味俱全」】(2014)

Crispy脆樂團Facebooktwitter)は、Skippyと丁不拉丁のデュオ。2月には来日もした彼ら、「學校」などの卒業ソングでも知られていますが、この曲は、これはこれで彼ららしい、ポップな歌にかわいいアニメのMV。でも話題は、昨年来台湾で大きな問題になっている食の安全の件…(というところも彼ららしいかも)。




【三生有幸 「單身症候群」】(2015)

三生有幸Facebook)は、5人組のロックバンド・風迷藏樂團が改名したバンド。日本のインディーズバンドのテイスト満点の音で、ちょっとびっくり。流れるような曲とサウンドはとっても聴きやすく、耳に残ります。今後も注目。




【NO MONEY NO HONEY 「Pick Up the Phone」】(2015)

NO MONEY NO HONEYFacebook)は2009年結成、ShinyとKateの姉妹が率いる5人組。エレクトリックなニューウェーブ、といえばいいのかな? 日本語も飛び交うMV。いろいろ苦笑させられつつも、サウンドはグルーヴィーでなかなか、意外に中毒性あり。ららららら〜♪




以上、今回もかな〜りバラバラながら、聴きやすいものが並んだ(でも最後でひっくり返す(笑))ラインナップかと勝手に思っていますが、いかがでしょう? 今後も、あまりポリシーもなく探していこうと思います。

posted by 研究員B at 23:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月25日

台湾インディーズの動画(〜2015年1月分)

台湾インディーズの動画(2014年12月〜2015年1月ツイート分)

当研究所のtwitterで【台湾インディーズ】の動画を紹介するツイートを、不定期につぶやいています。「お勧めのものだけではなく、まあご参考まで程度のものや、何これちょっと見てよ的なものまで、きらく〜に。需要があるかどうかはわからないけど」という考えで始めたのですが、10個ほど紹介したところで、忙しさもあり中断。ずっとそのままになっていましたが、年末になって再開しています。

これまで2度、ツイートした動画が5〜6点たまった時点で、ブログのエントリにまとめていました。一つ目がこちら(2014年4月ツイート分)で、二つ目がこちら(2014年5〜6月ツイート分)。今回、年末に再開してからの分もたまってきたので、またブログのエントリにまとめてみたのが、今お読みいただいているこのエントリです。

過去2つのエントリ同様、台湾インディーズという以外は特につながりのないラインナップで、ツイートした順にただ並べただけです。まったくもって需要があるとは考えにくいのですが(!)、まあご容赦を。


【開水小姐 「保鮮期 ft.獨聲子」】(2014)

開水小姐(Miss Water; Facebook)は、R&B/ヒップホップのバンドJuzzy Orange 汁橙音樂(Facebook)のボーカル。彼女のソロ作(というか、彼女をフィーチャーした汁橙音樂のアルバム?)の《水喔 Waterful》の収録曲。アカペラ経験もある、隠れた実力派のボーカリスト。彼女のうまい歌も、汁橙音樂のサウンドもかっこいいので要注目。ロケは多分ここ




【逆風少女 「妖怪」】(2014)

「永遠の18歳」を称するグループ・逆風少女Facebook)の曲。脱力エレクトロ? 制服でゆるゆるダンスをしている場所は、本当にエッフェル塔の前です。苦笑しつつもなぜか釘づけになってしまう(笑)謎の力量。逆風少女は心電樂(以前のエントリで紹介)のベース・海星星が率いる4人組。MVで踊っている左側が海星星。右はメンバーではなく海星星の実の妹さんだった気が。




【Easy 「直覺 2015版 / 那裡沒有我」】(2014)

多芸なシンガーソングライター・EasyFacebooktwitter)の、2年前のアルバム『預言』収録曲の新アレンジ版。これ、すごく気に入りました。シンプルなんだけど微妙にひねりが効いていて、噛めば噛むほどというか、聴けば聴くほど独特の味わいがあり、かなり感心。男子の妄想の不安定さ(?)に満ちたMVもなぜか印象的。余光燿(糯米糰、猴子飛行員)のベースも注目。




【FLUX 「Too Young To Die」】(2014)

FLUX(Facebooktwitter)はエレクトリックロック+ブリットポップ+ダンスミュージック?の4人組。軽快だけど、実は貢寮國際海洋音樂祭で海洋之星を取った実力派。新墨鏡樂團のメンバーでもあるドラマーの李亮瑩(Thrissa Skala)は、米国出身でもともと政治大学の留学生。この曲は疾走感のあるナンバー、MVも最後まで観てしまう! 1月初めには来日してライブもしていました




【康小白 「手殘吉他手」】(2014)

梁靜茹・S.H.E・梁詠hなどなど、多くのメジャーアーティストに楽曲を提供してきた康小白Facebook)の初ソロ作から。しかしその舞台裏の、ミュージシャンの等身大の姿を描く歌(笑)。MVも歌詞もとっても面白いので必見。でも聴けば、確かな力量は間違いなく感じられます。さすが!




【馬克白 「她」】(2014)

馬克白(Macbeth; Facebook)は、2008年結成の4人組のバンド。いやー、馬克白って正統だけど個性的で、この微妙なヘンなサウンドがたまりません。中毒性があって、繰り返し聴いてしまいます。めくるめく一風変わったアニメーションも、つい見とれてしまう。「我是一隻山羊」のMVもぜひ!




今回は、聴きやすいものからそうでないものまで(!)、幅が広いようなそうでもないような…。需要がある人がもしいれば、そこに届くことを祈りつつ。


posted by 研究員B at 00:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月19日

台湾インディーズ動画(2014年5〜6月分)

台湾インディーズの動画(2014年5〜6月ツイート分)

今年4月のはじめから、おきらく研のtwitterで【台湾インディーズ】の動画を紹介するツイートを、不定期につぶやいていました。「お勧めのものだけではなく、まあご参考まで程度のものや、何これちょっと見てよ的なものまで、きらく〜に。需要があるかどうかはわからないけど」という考えで、ぽつんぽつんとツイートをしてきました。

で、4月にツイートした6点の動画をまとめて、ブログのエントリにしたのがこちら。その後も引き続き、ときどき動画を紹介していたのですが、日常が慌しくなっていくうちに、6月はじめあたりを最後に紹介が止まってしまいました。そのときは、「まあまたそのうち再開しよう」と思っていたのですが、ばたばたしているうちに、あっという間に半年が経ち、もう年末…。

とりあえず年を越さないうちに、まだブログのエントリにまとめていない、5月〜6月にツイートした分をまとめるくらいはしておこう!と今さらながら思いました。で、書いているのがこのエントリです。

前回のエントリ同様、台湾インディーズという以外は特につながりのないラインナップですが、一つでも気になるものがあれば幸いです。今回も、ツイートした順に並べていきます。


【PiA樂團「沿途」】(2014)

昨年12月に来日したPiA樂團Facebook公式サイトiNDIEVOXwikipedia)の曲。シンプルなサウンドとPiAの通る歌声。何重にも重ねられ、シンプルながら技巧に満ちた映像。残念ながらその後PiA樂團は解散を発表、PiAはソロで活動を継続中。




【Space Cake 史貝絲考克「N/A」】(2014)

Space Cake 史貝絲考克FacebookiNDIEVOX)は2011年結成の4人組のグループ。R&B・ソウル・ファンク。かっこいい! 馬念先も推薦。




【2HRs「瞪鄉人 Homegazer」】(2014)

2HRsFacebookiNDIEVOXStreetvoicewikipedia)は2010年結成。インストゥルメンタルのポストロック。スペイシーな、独特の雰囲気のサウンド。バイオリンのメンバーがいるのが特徴。




【地下道樂團「青春輓歌」】(2014)

地下道樂團FacebookiNDIEVOX)の、結成10年を経て2013年にリリースした初アルバムから。さらば青春!というテーマを、堂々と正面から歌い上げる独特の説得力。「他唱著Morrissey的歌〜」のリフレインが耳に残る。彼らの歌で涙したい人は、「積極與落寞」もぜひ。




【Frusciante 佛香甜「Young Life」】(2014)

Frusciante佛香甜FacebookiNDIEVOX)の「Young Life」。これ気に入りました。シンプルなつくりだけど楽しいMV! ストレートなサウンドも素晴らしい。去年日本で東北ツアーもしたらしい注目バンド。




いかがでしょう? どれか一つでも、ひっかかるものがあればいいのですが。無限に広がる台湾インディーズ、日々新しいものが生まれてきているので、引き続き(きらく〜に、ですが)紹介したいと思います。

posted by 研究員B at 23:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月20日

「核電歸零」と「今天拆大埔,明天拆政府」

大象體操(Elephant Gym)のライブ(渋谷O-Nest、2014年10月17日)に行ってきました! 素晴らしいパフォーマンスでとても良かった! 当日のツイートや、記憶の限りのセットリストは、twitterやFacebookに載せたので、そちらをご参照ください。ライブのレポを書くことも考えたのですが、きっと他にも書く人がいるだろうと思ったので、ここでは、おそらく当研究所のブログでないと(日本では)多分誰も書かないであろうネタを取り上げることにします。

まずは、こちらの画像をご覧ください。渋谷でのライブを前の方で観ていた方( @yukogrohl さん)が、大象體操のベーシスト・張凱婷のベースの画像をアップしてくれたものです(感謝!)。twitterとinstagramのリンクを載せておきますが、画像は同じものです。

https://twitter.com/yukogrohl/status/523114042877964288
http://instagram.com/p/uTNCdHkYPe/

これを見ると、2種類のステッカーが貼ってあることがわかります。それぞれどういう趣旨のものなのだろう?と思う人もいるかもしれないので(そんな人、いない?)、説明しておこうと思います。

【核電歸零】

ひとつは、「核電歸零」と書かれた黄色のステッカー。下の方に書かれている小さな字は、「Nuclear go zerO」と書かれています。

Nuclear_go_zerO.jpg

これは告F公民行動聯盟という台湾のNGOが作ったステッカーで、台湾の原発全般に対して廃止を求める運動で用いられています。現在の台湾では「核四」と呼ばれる第四原子力発電所の動向が原発関係では最大の問題になっているため、「核四」の建設中止を求めるアピールの際にも、このステッカーはよく見かけます(第四原子力発電所の問題については、さしあたり日本語wikipediaなどをご参照ください)。

実はこのステッカー、私も持っています。2013年12月にリリースされた、《不核作:台灣獨立音樂反核輯》博客來)という、原発に反対する台湾のインディーズのバンドやアーティストが参加した、2枚組のコンピレーションアルバムがあるのですが、これは上記の告F公民行動聯盟が関わって製作されたものです。これに、「核電歸零」のステッカーが一緒に入っています。これを楽器に貼り付けているインディーズのアーティストは、本当にたくさんいるような気がします。なお、この《不核作》には大象體操は加わっていませんが、大象體操のアルバムに参加した巴奈や鄭宜農(のバンドの猛虎巧克力)の曲も収録されていますし、他にも多数のアーティストが参加した充実の作品です。ご関心の方はぜひチェックを。

20141019b.jpg


【今天拆大埔,明天拆政府】

もう一つのステッカーには、「今天拆大埔,明天拆政府」というメッセージが書いてあります。「拆」の下にマークのようなものが見えますが、これはパワーショベルの絵です。

f_the_g.png

以下で説明しますが、「大埔事件」と呼ばれる一連の争議があり、その中で、2013年7月18日に苗栗縣の大埔地区の4軒の家屋が、重機により強制的に取り壊されるという事件がありました。そうした行動に出た地方自治体や黙認した政府に対して、強い批判の運動が起こり、その過程で作られたのがこのステッカーです。パワーショベルの絵は、家屋を取り壊した重機を表すものです。

大埔事件は、1990年代に苗栗縣政府により立案された開発計画と、それに伴う用地買収をめぐって長く続いていた問題で、開発を批判し立ち退きを拒否する住民と、強硬姿勢を続ける苗栗縣政府の間で対立が続いていました。上記の2013年7月以前にも強制的な対応がなされたことがあり、住民側に自殺者が出るなど、大きな問題となっていましたが、特に昨年7月の事件を経て、大規模な政府批判のデモが行われるようになりました(大埔事件についてより詳しく知りたい方は、中国語ですがwikipediaをご参照ください。ちなみにその後、立ち退きを迫られた住民の訴えが裁判で認められ、政府が敗訴するなど、2014年に入ってからもいろいろ展開があります)。ステッカーのメッセージ「今天拆大埔,明天拆政府」は、「今日大埔を壊すのなら、明日は政府が壊される」という感じの意味になるでしょうか(間違っていたらご指摘を!)。

「核四」の件も大埔事件も、台湾社会で大きな議論を呼んだ(呼んでいる)問題ですが、大象體操に限らず、こうした社会問題に対する台湾のアーティストの反応は非常に敏感です。Facebookを見ていてもそのことはよく分かると思うので、そこまで視野を広げて聴いてみると、またサウンドも違って聞こえるかもしれません。


最後に。大象體操のみなさんに、CDにサインしてもらったので、掲載。ありがとうございました!
20141019a.jpg

posted by 研究員B at 00:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月15日

大象體操 《角度》

いよいよ目前に迫った、大象體操Elephant Gym: Facebooktwitter)の来日ライブ。それを記念(?)して、6月にリリースされたアルバム《角度》について書いておこうと思います。

大象體操については、当ブログでは2013年3月のエントリで紹介しています。これを書いたときは、大象體操のことを日本語でまとまった形で紹介した文章がほとんどなかった(というか、いくら検索しても全然見つからなかった)のを覚えています。CDリリースもまだだった頃なので、仕方ないのですが。

幸い、今では彼らを紹介する日本語の文章もいくつか見つかるようになったので、めでたしめでたし(?)と思っていたところ……ふと気づいたのは、いろいろ検索しても、《角度》について日本語でレビューした文章がほとんど見つからないということ。なぜ? 日本だと入手しにくいから?

というわけで、当ブログでレビューすることにします。全曲をざっと紹介してから、彼らの音楽についてあれこれ述べようと思います。(以下長いです。ご注意を)

●「序」
オープニングは、飄々としたリコーダーの曲。もともと張凱翔・張凱婷のきょうだいがやっていたChildish Goのテイストの、ポップな発展形という感じ。大象體操のイメージからすると当惑する人もいるかもしれないけど、リコーダーは彼らの子どもの頃から音楽の原点?なのかも。

●「白日」
一転して、すっきり爽快なサウンド。作詞作曲はEnnoこと鄭宜農、ボーカルも彼女です(鄭宜農については、猛虎巧克力についてのエントリを参照)。小さな存在の自分と、世界の大きさ、でもそれがいわば反転する、というモチーフはEnnoの他の歌詞にもみられるような気がしますが(勘違いなら失礼)、とても鄭宜農らしい歌詞、そして曲です。その鄭宜農の世界に、実に違和感なく見事に大象體操のサウンドが調和するという、個人的にはとても印象的なトラック。

●「遊戯」
大象體操を初めて聴いたのはこの「遊戯」で、そのときのインパクトは今でも忘れません。そのときのヴァージョンと比べると、今回はちょっとマイルドな入り方のアレンジになっています。でもその後の展開は以前と変わらないグルーヴィーさで、3人の高いクオリティの演奏が楽しめる、これぞ大象體操!という納得の手ごたえ。

●「燈」
最初にYoutubeでこれを聴いたときは正直言ってちょっと当惑した、不思議なふんわりサウンドの新境地。でもプレイのシャープさはばっちり。あと張きょうだいのボイスのソフトな使い方も、さりげないけど決まっています。でも実は、この曲のMVについてはまだ当惑が続いている(笑)。


●「堅固耐用的梯子」
はしご、しかも「堅固耐用的」というわりには、これも微妙にふわふわしつつ、でも見事な境地に引っ張っていく。緩急が巧みで感心。ギター素晴らしいです。個人的には、この曲には何となくジャズのテイストを感じるのだけど、大象體操はもっとジャズ寄りのプレイもできるのでは?とつい考えてしまう。

●「日常的航道」
これもどこかゆるさがあるのだけど、でも巧みに独自の境地へ。これも、聴いていると彼らにジャズをやってもらいたくなる曲。いいジャズトリオにもなれると思うんだけどな。当人たちは興味ないかな。

●「頭」
次の「身體」のプレリュード的なトラック。

●「身體」
実に華麗。最初に聴いたときは、大象體操にピアノなんていなかったぞ、これは誰?とびっくりしました(実際にはギターの張凱翔がやっています)。ピアノもいいのですが、常時シャープなプレイを披露するドラムの涂嘉欽、この曲での彼のプレイは本当に印象的です。二人のダンサーが踊るMVも、シンプルながらユニークで気に入りました。


●「青蛙」
文句なしにかっこいい曲。ライブで聴きたい!


●「鳥鳴」
盛り上がる「青蛙」の直後だと霞んでしまうかと思いきや、これも十分にかっこいい。これを最佳搖滾單曲獎にノミネートする金音獎のセンスは渋い。

●「天鵝」
アルバムの最後を飾るのは、再びボーカル曲。歌うのは巴奈・庫穗(Panai Kusui、wikipedia)、作詞作曲も彼女です(國語詞です)。Ennoとのコラボは予想の範囲内でしたが、キャリアのある原住民歌手の巴奈との組み合わせはまったく予想外で、かなりびっくり。しかしこの組み合わせは実にハマっていて、巴奈のハスキーな声が描く世界に大象體操の3人がくっきりとした輪郭とを与えていくような、ユニークな調和が感じられました。
ちなみにこの「天鵝」、歌が終わったと思っても油断しないように! 手持ちのCDだと、無音が続いた後に隠しトラック(とはちょっと違うか)があって、また始まるのでご注意を。この「おまけ」が、アルバム全体の良い着地になっているように感じました。


前作の4曲入りの《平衡》と比べると、《平衡》が大象體操らしいスタイルをストレートに表現するものだったのに対して、この《角度》では、大象體操のより多様なスタイル、柔軟な開かれ具合を感じることができるように思います。「遊戯」や「青蛙」のような大象體操らしいサウンドももちろん素晴らしいのですが、個人的にはそれに加えて、異なるスタイルの音楽との意外な親和性を新たに感じました。例えばジャズであり、また広くフォーキーなサウンドです。前者は、もしかしたら涂嘉欽が朱宗慶打擊學校で学んだはずのジャズドラムのスキルが効いているのかもしれません(考えすぎ?)。

あと全体として、ハイレベルな技術も、練られたマスロックのサウンド構築も、もちろん決定的に重要なのですが、それ以上に大象體操の特徴(だと自分が勝手に思っている点)が改めて印象に残りました。それは何かというと、エレガントなプレイと両立している、「自然さ」や「かっこつけなさ」です。この路線でやっていながら、変な「かっこつけ」や「気取ったクールさ・無表情さ」にも行かず、他方で陶酔にも行かず、情感に流れることもない。いつもリラックスして、堅苦しさがなく、でも地に足がついている。この点は、この《角度》でも変わらず感じられました。

そういう点では、初めに大象體操を知ったときは、張凱婷のベースプレイのすごさとリラックスした笑顔の共存が印象的だったのですが、今ではむしろドラムの涂嘉欽に釘づけです。彼のプレイは本当に素晴らしいのですが、加えて、2013年の野台開唱のプロモーション動画(Youtube)とか、このFacebookとかにみられる彼のコミカルなキャラクターをみると、涂嘉欽こそが技術とリラックスさの共存を体現しているように思っています(!)。

今回もぐだぐだと長いエントリになってしまいましたが、言いたいことはひとつ、「聴け!」です。もう間もなく日本で生で聴くことができるなんて、ただただ楽しみです。

【Elephant Gym "ANGLE" Japan Tour】
2014/10/17(金) 東京・O-nest
2014/10/18(土) 大阪・難波Rockets
2014/10/19(日) 名古屋・spazio rita

posted by 研究員B at 23:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする