2016年01月19日

「逆轉勝!」

いつもと同様に、あれこれ台湾の情報を検索していたところ、今回の台湾の総統選挙・立法委員選挙についてふれた、ロイターのこの記事(日本語英語)を見つけました。

記事の内容はともかく、目を引いたのは記事中に掲載された画像です。蔡英文の当選に喜ぶ支持者たちの様子で、黒いTシャツの人がガッツポーズをしているのが中央に写っています。これを見てちょっとびっくりして、あわてて撮影された時期を確認しました。撮影されたのは台北、今回の選挙の投票日・開票日である、2016年1月16日の画像のようです。

この画像に写っている人物のTシャツ――黒地に「逆轉勝!」と黄色で書かれているもの――は、決して新しいものではありません(五月天怪獸主演の映画とも無関係です!)。実はこれ、8年前の台湾総統選のときの、民進党・謝長廷陣営のものです。この人、8年前からこのTシャツをずっと持っていたんでしょうか?

8年前=2008年の総統選は、民進党(謝長廷・蘇貞昌)は形勢が圧倒的に不利な状況で、実際の結果も、国民党(馬英九・蕭萬長)に大差で敗れて終わりました。もともと選挙前から民進党の苦戦は明らかだったため、選挙運動にあたって打ち出すキャッチフレーズも、そのことを踏まえたものにならざるをえない状況だったのですが、そこで選ばれたフレーズが「逆轉勝(逆転勝利)」だったのです。「轉」の字の、偏とつくりが“逆転”して入れ替わっているあたりに、デザイン上の工夫(?)がみられます。

もう8年も前なのでなかなか探しにくいのですが、検索してみると、黒地に黄色でこのフレーズが書かれたTシャツの、当時の画像がいくつか見つかります。例えば、これとかこれとか。上のロイターの記事に出ていたのは「逆轉勝!」とだけ書かれているものでしたが、(当時アメリカ大統領選で躍進していたオバマにならい)「Yes, we can!」と書かれているものや、候補者番号である1番を強調した、人差し指を立てた手のデザインが加わったものもありました。

で、なぜこんなことを思い出したかというと、実はこれに関連する「逆轉.勝!」という歌があり、そちらを覚えていたからなのです。

それがこの歌、『逆轉.勝!』のMVです。歌っているのは、滅火器と閃靈(ChthoniC ソニック)のフレディ・リムこと林昶佐。作詞作曲も滅火器の楊大正とフレディです。フレディ、プロパンガスのボンベをかついだり、バイクで転倒したり、走ったり跳ねたり、元気です! 監督は鄭文堂(《深海 Blue Cha-Cha》《夏天的尾巴》《眼淚》《菜鳥》)・蔡佳展・許文烽の3人。ちらっと鄭宜農も出演しています。



もともとこの歌は、北京オリンピックの予選で、野球の台湾代表チームを応援するために作られたものでした(ちなみに台湾代表チームは、予選を勝ち抜きオリンピックに出場、オリンピックでは予選リーグ5位に終わり決勝トーナメントには進めず、という結果でした)。しかしそれだけでなく、この歌はさらに、2008年の総統選で民進党の応援ソングにも使われたのです。それは、フレディが謝長廷の選挙事務所のスタッフに加わり、青年部執行長などを務めたことが背景にあるようです(「逆轉歌」wikipediaなど参照)。

上のMVは、最後は野球場で合唱したり、野球の応援歌らしいものになっていますが、実は別のヴァージョンのMVもあります。基本は同じなのですが、要所要所に謝長廷や蘇貞昌の映像を組み込む編集がされていて、選挙応援歌のMVの仕上がりになっています。




これから8年が経過したわけですが、滅火器はひまわり学生運動(太陽花學運)での「島嶼天光」で一層広く知られる存在となり(過去のエントリを参照)、また蔡英文陣営による企画のコンピレーションアルバム《台灣美樂地》にも、少しだけ参加しています。フレディに至っては、新政党・時代力量の結成に加わり、今回の選挙で立法委員(国会議員)に選ばれました。このMVを観ると、台湾社会の状況もその間に大きく変わったことが改めて実感されます。

というように、「逆轉勝!」のTシャツを着ている人の姿を見つけて、不思議なタイムスリップ感というか、8年の経過の大きさについていろいろ思ってしまいました。次の4年、あるいは8年で、台湾社会はどのように変化していくのか、引き続き注目していこうと思います。


posted by 研究員B at 23:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | 小ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月28日

所長(5歳)の語る台南の思い出2

すみません。また所内ネタ。しかも、続・「所長(5歳)と台南」ネタです。(前回のエントリはこちら)。

あまりの暑さに、ややバテ気味の研究員A。所長を保育園から連れ帰り、夕食を作り、食べ終わった頃にはへろへろ。思わず食卓の横に倒れて呟く。

研究員A 「あああ、あっついねえぇ」

間髪を入れずに、所長が返す。

所長 「うん。台南気分だねえ」

……た、たいなんきぶん?

初めて聞いた言葉だが、研究員Aはとても気に入った。汗だくだくで、疲れきって、倒れていたとしても、この暑さこそがまさに「台南気分」。そう思えば、暑さだってイベント。楽しむべき何かのように思えてくる。

というわけで、最近のおきらく研、「暑い」と言った後に「台南気分!」というのがプチ・ブーム。流行らせたいので、ぜひ皆さんも生活に取り入れてください。暑さは変わらないけど、ちょっとだけ暑さを笑えるような気がします。

タグ:台南
posted by 研究員A at 23:30 | Comment(2) | TrackBack(0) | 小ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月26日

所長(5歳)の語る台南の思い出

いやもう、あっつくなりましたね〜。毎日、あっついですね〜。あんまりあっついんで、今日は軽い所内ネタを。

おきらく研で、暑がり度No.1を研究員Bと競っている所長(5歳)。今日も風呂から出てきたらほかほか。「扇風機つけて良い?」と研究員Aに聞く。

研究員A「いいよ」
所長  「暑いから、(風の強さを)「3」にしても良い?」
研究員A「いいよ。さすがに「4」は強すぎるけどね」
所長  「「4」は、もっと暑くないとだめだよね〜。台南くらい暑くないとだめだよね〜」

……む、暑さの例えとして台南を出すとは。やるな、所長。

研究員A「そうだねえ。台南は暑かったもんねえ」
所長  「台南は暑かったよねえ〜。はだかんぼでも良いくらいだったよねえ〜」

……いや、さすがに「はだかんぼ」には問題が。

しかし、この会話の間中、所長はずっと満面の笑み。夜市のゲーム屋台が充実していた台南は、所長にとってパラダイス。次から次から次へとゲームを堪能できた台南の夜がともかく楽しかったらしく、「所長、台北より台南が好き〜」「ああ、また台南に行きたいなー」と日頃から繰り返し言っている。

3月ですら、日中は暑さに負けてふらふらになってたくせに。それで異様に不機嫌になって、研究員Aのショッピングを邪魔したくせに。それももはや良い思い出か。台南恐るべし。

5歳児をも魅了する魅惑の台南。また行きたいけど、あの暑さを考えると夏は絶対に無理。でも春にはまた行きたいなー、と所長が「台南」と口にする時の笑顔を見るたびに思う研究員A。でも、今頃はきっと地獄の暑さになってるはずだ。考えるだけでも恐ろしいぞ。

タグ:台南
posted by 研究員A at 23:38 | Comment(4) | TrackBack(0) | 小ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月02日

雑ニュース3件

雑ニュース3件(陳建一来台・野球場でのプロポーズ・廬山温泉が廃止へ)

映画ネタが続いたので、1〜2ヶ月ぶりになるかと思いますが、今回はまた台湾のニュース動画を使った雑ネタのエントリです。今回は話題の共通性はゼロで、完全に一つ一つバラバラの話です。すみません。

その1。「料理の鉄人」陳建一が来台して、台北の晶華酒店(ザ・リージェント・タイペイ)で料理を披露したという話題。台北ナビに、画像いっぱいの詳しい記事が出ています(「料理の鉄人でおなじみの陳さんが台湾にやってきた!」)。

料理はおいしそうでそれはそれで興味深いけど、個人的により興味深かったのは、陳建一が中国語を話すのを見ることができたこと。まあそりゃしゃべれるでしょ、と言われればまったくその通りなんですが、ちょっと新鮮な(?)感じ。

民視「「料理鐵人」鮑魚粽 台灣吃得到」




その2。台湾プロ野球の統一ライオンズの本拠地では、ファンが「球場でのプロポーズ」をすることができるみたいなのですが、このたび規則を変更したとのこと。球場でプロポーズしたい男性は、事前に20人分のチケットを買って「親友団」をつくって球場に来なければならず、また事前に映像と企画書を提出することも必要になったそうです。

そうした演出がプロポーズの際の動揺を減らすことになり、要するにいい結果につながる、という趣旨のようですが(初心者ゆえ記事の誤読があるかも:すいません)、本当に単身で小道具なしでプロポーズ、というのは、グダグダにもなりやすくちょっと危ういので、場を盛り上げて円満に終えてほしいであろう球団側としても避けたいのかもしれません。

民視「防求婚變公審 獅改遊戲規則」




その3。南投県の霧社の近くにある「廬山温泉」が、なんと「廃止」になりそうという話題。行ったことはありませんが、この温泉、wikipediaによると、「日本統治時代は、富士温泉と呼ばれ、明治温泉、桜温泉と中部の3大温泉といわれた」そうです。行ったことはない人ても、シンボルの吊り橋の画像は見たことがあるかも。

この温泉があるエリアは、近年台風による深刻な被害を複数回受けていて、特に奥の方のエリアはなかなか復興が進まないままだったようです(参考:台北ナビ「台湾中部・廬山温泉に行ってきました。」)。そして、このたび南投県政府は、この廬山温泉を廃止して、少し離れたところにある(温泉もある)福興農場というところに移転する計画を発表したとのこと。まだ確定ではなく、住民の意見も聞きながら進めるようですが、とはいえ現実的には温泉を維持するのは難しそうな感じです。実際、将来また台風の被害が起こったら、「第二の小林村(88水害で大きな被害を受けた高雄県の村)」になりかねないという状況なのだとか。写真などを見ると、風情のある温泉のようなのですが…。

民視「廬山溫泉廢止? 縣府:待核定」




以上、本当にバラバラで失礼。
posted by 研究員B at 02:58 | Comment(2) | TrackBack(0) | 小ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月22日

物価高の中、食べ物の安い店は?

あれこれ忙しく、久しぶりのブログ更新。
今回は、また台湾のニュース動画を使った雑ネタのエントリです。

このところずっと、台湾のニュースは本当に「値上げ」や「物価高」の話題ばかりで、あれも値上がりこれも値上がり、それについての社会的な影響や、苦労や不満などが連日話題になっています。ガソリンや電気代の値上がりが、ありとあらゆる日用品や食事の値上がりにつながるという展開で、現地在住の方のtwitterをちらほら見ても、なかなか大変そうな感じが伝わってきます。

しかし、物価高のニュースばかりで台湾のみなさんも食傷しているのか、そんな中でも「安い」「お得」な店があるという話題が、ニュースでもぽつぽつと取り上げられるようになっています。というわけで、今回はここ数日の民視のニュース動画から、特に食べ物関係で「安い!」「お得!」な話題を扱うものを3つほどご紹介。


その1。台中では、「5元のパン」「1元の水餃子」が大人気!というニュース。「5元のパン」は具も十分入っているものばかりなのに、たった5元。しかも35種類もあるとか。「1元の水餃子」は一般的な2.5元の水餃子と比べても、中の餡は同じぐらいで、大きさは後者が2.5cmなのに対して「1元の水餃子」は3cmあり、0.5cm長い!(笑)そうです。

民視「物價漲! 1元水餃5元麵包熱賣」



その2。これも台中ですが、中興大學のあたりは牛肉麺の激戦区だそうで、多くの牛肉麺の店では、替え玉追加・スープ追加がすべて無料(!)なんだそうです。さらに飲み物(紅茶、さらにはパールミルクティーのタピオカも)、青菜、小菜(泡菜とか豆干とか海帶とか)もすべて無料、なんて店もあるのだとか。すごい! 値段がいくらかを知りたい。

民視「牛肉麵搶客 拚大碗尬優惠」



その3。ある家具チェーン店のレストランで出ている朝食が、物価高の中で大変安いと人気を集めているというニュース。スクランブルエッグ・ハム・雑穀パン・2種類の野菜の炒め物という朝食セット(量も多め)が、39元で食べられるそうです。飲み物とサンドイッチを買うだけでも39元にはなかなか収まらない今、この値段でこれだけ食べられるので人気とか。

民視「低價早餐不漲價 凍漲有一套」


半年前に仕入れの契約をしているので物価高の影響を受けていないという話みたいですが、ここってIKEAですよね(映像ではロゴのところを消していますが)。思わぬ形で注目されているようです。


IKEAはともかく、飲食店や屋台は小規模なところが本当にたくさんあるので、物価高の中でやっていくのはさぞ大変かと思います(もちろん消費者の側も大変でしょうが)。その1やその2の店は、舞台裏は相当に大変なのではないかと思いますが…。


タグ:台湾 物価高
posted by 研究員B at 00:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | 小ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする