2016年06月23日

「台湾の音楽フェスへ行こう!」這・世界音樂節

「台湾の音楽フェスへ行こう!」3日目・這・世界音樂節

虎ノ門の台湾文化センターによるトーク&ライブイベント「台湾の音楽フェスへ行こう!」、3日間のレポをまとめるシリーズ、今回は3日目(6月13日)のレポです(1日目・2日目のレポはそれぞれこちらこちら)。

この日は、前2日に比べかな〜り“濃さ”がにじみ出る企画でしたが、大変楽しく興味深く、前2日に負けない充実の内容でした。楽しさという点では3日間で最高だったかも。あー楽しかった。

この日のテーマは、「這・世界音樂節」Facebook)。台湾文化センターのページによると、2015年12月に初めて開催された、「台湾初のワールド・ミュージックに特化した音楽フェスティバル」で、「台湾原住民や客家を初め、アジア各地のエスニックな音楽アーティスト」を招いたものだそうです。この日、原住民と客家のアーティストがライブに登場するのはこのフェスをふまえていたからですね。

ただし!!この日のトークでは、このフェスについてはほとんど(まったく?)言及されませんでした(笑)! ではどうだったかというと…

この日のトークで登場したのは、這・世界音樂節のオーガナイザー・張四十三。個性的な作品を多数リリースしている台湾のレーベル「角頭音樂」公式サイト)を率いている人物です、また、今回の一連の企画では取り上げられていませんが、台湾で最も有名な音楽フェスの一つ「貢寮國際海洋音樂祭」(2000年〜)を立ち上げた人でもあります。(あと、今回は話題に出ませんでしたが、以前からずっと観たい!と思っている舞台劇+映画の《很久沒有敬我了妳》Facebook予告編動画)のプロデュースも担当していました。)

缶ビールを持って登場した張四十三、まず始めたのは、ある日本の若者の捜索依頼(笑)でした。詳細は略しますが、この話題で盛り上げ(!)オーディエンスの心をぐっとつかんだ後は、彼が率いるレーベル「角頭音樂」の紹介。25cm×25cmの紙ジャケット入りの角頭音樂のCDは、台湾のCDショップを訪れた人なら見おぼえがあるかもしれません。「やくざの親分(K社會老大)」という意味の「角頭」をレーベルの名前に選んだのはなぜか(かつて角頭になりたいと思っていたけどなれなかった、だから音楽で「角頭」をめざそうと思った、と!)など、ノリよく本題に沿っているようないないような話を展開して、どんどん会場を盛り上げていきます。原住民音楽の佳作を多数リリースしていることで知られる「角頭音樂」ですが、日本のアーティストなど幅広い音楽を紹介してます。でも、この日紹介された、(新たに台北駐日経済文化代表処駐日代表に就任した)謝長廷のオカリナのCD(!)なんてものまでリリースしているのは知りませんでした!

その後、どうやら張四十三がこの日一番話したかったらしい話題へ。それは、彼が企画した来月開催の「金光舞台車閃閃嘉年華」の紹介と勧誘(笑)、でした。

その前段として、彼が解説したのは、台湾のお祭り(だけではないのですが)に登場する華やかな山車(といっていいのか)の変遷です。「傳統藝閣車」→「電子琴花車」(元はトラック、荷台部分で歌い踊れる)→「貨櫃舞台車」(開くとステージになる)という展開を画像を見せながら説明し(どんなものか気になる方は検索してみてください!)、さらに「吉普鋼管車」(ジープの屋根にポールを設置してそこでポールダンスをする!)などまで動画で紹介していました。ご存じの方はご存じの、台湾南部のコテコテカルチャーです。

で、7月9日に台北・市政府前で開催される「金光舞台車閃閃嘉年華」Facebook)では、この「貨櫃舞台車」を台湾中から市政府前に30台(!)集結させ、西樂隊の演奏、鋼管女郎のポールダンス、小吃などが楽しめるというもの。また台客ロックのライブもあり、濁水溪公社・董事長樂團・四分衛・流氓。阿コ・Skaraokeという納得の面々が登場します。コテコテカルチャー全面展開のこのイベント、かな〜り気になりますが、張四十三はとにかくこのイベントをプッシュしていて、即刻フライトと宿泊を予約せよ!と繰り返し強調していました(笑)。

というわけで、この張四十三のトークは非常に面白かった! 彼の話術も、持ち出されるネタのユニークさや強烈さもすごかったのですが、同時に強く感じたのは、ただそれだけではない話だったということです。話の要所要所で、原住民の社会的位置にふれたり、彼自身の親の話を持ち出したりするなどして、一見びっくりなネタであっても、具体的な生活実感に結びつけて語られていたように感じました。だからこそ、コテコテ南部風のネタ各種も、笑いを誘うだけの話ではなく、どれもいわば血の通った話として伝わっていたように思います。だからこそ、本当に面白い話でした。
ちなみに、「貨櫃舞台車」の写真の展示会を9月下旬に台湾文化センターで開催するとのこと。気になります!

続いてはライブ、最初に登場したのは查勞.巴西瓦里Facebook)。查勞は去年(2015年)の金曲獎で最佳原住民語專輯獎(ベスト原住民語アルバム賞)を受賞した、アミ族の歌手です。受賞作収録曲のMVで聴いていた彼の音楽は、マダガスカルやスペインのテイストが交じり合う、洗練された印象だったのですが、生の查勞はいい意味で洗練とは違いました(笑)。なかなかストレートにパンチのある歌い手で、ニコニコしながらて実にノリよく、オーディエンスを積極的に巻き込みつつ盛り上げて歌ってくれました。原住民音楽の枠を超えるぐらいの勢いは確かにあり、楽しめました。
改めて、MVをはりつけておきます。

查勞‧巴西瓦里《藤 Rattan》


次に登場したのは、ベテランの客家の歌手で、新寶島康樂隊のメンバーでもある、黃連U(Ayugo: Facebookwikipedia)。この3日間で一番のベテランの登場!と思ったけど、なぜか微妙に緊張して落ち着かない様子。実際ご本人も緊張していると言っていて、ギターが微妙な瞬間もありました(笑)。まあ、いつもはバンドを従えての登場なので、彼ひとりというのはあまりないのは確かかも。
とはいえ、歌声の見事さは間違いなく本物。一曲ごとに徐々に調子を上げ、最後の「山歌一條路」は実に素晴らしく、聴き入ってしまいました。新寶島康樂隊でも来日してほしいものです。
というわけで、その「山歌一條路」のMVをはりつけておきましょう。

黃連U「山歌一條路」



以上、期待以上に楽しい夜でした! 日本で体験できる企画としては本当に貴重で、満足満足。関係者のみなさんにはほんと感謝です。

最後に、すべて終了後の、リラックスしたオヤジ3人の図を!

20160613.JPG

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posted by 研究員B at 01:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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