2015年09月16日

『黒衣の刺客』を観てきた!

侯孝賢監督最新作『黒衣の刺客』(《刺客聶隱娘》、日本公式サイト)を観てきた! 面白かった! 美しかった! 楽しめた!!

カンヌで監督賞とった作品だし、分かりにくいんじゃないのー。難しいんじゃないのー。と思ってるそこのあなた。もったいない! とりあえず観なさい。(そんなに)難しくないから。分かりやすく…はないけど、とりあえずかっこいいし、きれいだから、それをうっとり観ればいいから。つべこべ言わず、観に行こう〜。

と人をたきつけた後に、以下、自分の感想。ネタバレありますので、ぜひ観てから読んでください。

さて、この映画。舞台設定はドラマティックなわりに、物語はどっちかというとフラット。その分、映像で見せる感じの、ある意味、侯映画の王道中の王道を行く作品であった。最初にあらすじとキャスティングを聞いた時の「大丈夫なの、それ?」感が良い意味で裏切られて大変満足。そして、いろいろつっこみたくなるユルさが残るのもまた、侯映画の良いところ。というわけで、以下、感想というよりも雑感を色々と並べてみる。

●スー・チーが素敵すぎ!
基本的に、これ、スー・チー萌えの映画。下手するとのっぺり見えそうなあの役を、魅力的に見せてるってことに、ただただ感動。もう本当にかっこよすぎる。漫画か?みたいな強さも、突っ込ませずに見せきっちゃう感じとかも素敵。黒い衣装がまた、すっごいかわいいんですよ。スー・チーにみとれてるだけで、2時間過ぎちゃう。すばらしー。

●チャン・チェンもいろんな意味ですごい
妻夫木聡とか、イーサン・ルアンとか、イケメン枠もそれなりに揃えてあるこの映画。ところが、世評では「妻夫木君、どこに出てたの?」と当惑する声、多数。イーサン・ルアンに至っては、映画が終わってから「出てた!?」と、研究員Aも急いで検索した始末。イケメン達、時代物のコスプレすると、個体識別がしにくくなる傾向あり。なのに、なのに! チャン・チェンは、どんだけ時代物のコスプレしても、すぐにチャン・チェンだって分かる! すごい顔力! 逸材! しかも、その顔でパーフェクトなダメ殿っぷり! 最高!

●侯映画における「ダメ男vsしっかり者の女」という構図は健在
侯映画に限らず、台湾映画ってわりとこの構図、多い気がするんだけど。そして、「ダメ男」を描かせたら、台湾映画の右に出るものはない、と思うんだけど(笑)。

この映画も、ダメ男vsしっかり者の女、という構図をかなり極端な舞台設定で見せてる物語だよねえ、と思う研究員A。だからこそ、スー・チーがしっかり者であればあるほど、チャン・チェンがダメ男であればあるほど、物語は魅力を増すわけで。どっちも、素晴らしい仕事っぷりでした。特に「ダメ男」をきっちり演じてこその台湾男優界で、チャン・チェンはまさに明日を担う人材!というダメっぷり。すばらしい。イーサン・ルアンも、いい奴ばっかりやってないでダメ男やらないと〜。

●そこがオチか!?
話はあちこち飛ぶものの、面白く観ていたこの映画。しかし、さすがに最後の20分くらいになって「この話、どこに落とすの?」と心配になってくる。ハラハラしながら観ていての結末は…、ええええっ、そこ?そこなの!? 個人的には顎が外れるほどびっくり。ある意味、まったくオチてないし…。

●映像がきれい
くだらないことばっかり書いてきたので、最後に少しまともなことを。映像について。

これは説明するまでもないし、説明しようもない。物語に絡んでいても、絡んでいなくても、息を呑む瞬間がたくさんあった。いつまででも、酔っていたいような画のオンパレード。すばらしい体験だった。また観たい。何度でも観たい。


こんな感じで、いろいろツッコみつつ、とても楽しめた。侯監督の映画って、すごいしすばらしいんだけど、良い意味で「ユルい」。その良さが全面に出ていた映画だった気がする。この映画がヒットすることで弾みがついて、また次の作品につながると良いなあ。期待してます。

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posted by 研究員A at 22:49 | Comment(2) | TrackBack(1) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
大自然の中でのロングショットなど映画の醍醐味があって大画面で見たい作品!小刻みな急展開で忙しい最近の映画の対極にある映画なのだろう。好きな所を選ぶのは観客自身。萌えるのも萌えないのも自由な…。ホウシャウシェン監督の武侠映画の美学♪
Posted by PineWood at 2015年12月22日 07:20
大画面で観たいというのは、ほんとそうだと思います(Bのレビューの方で少しふれましたが)。好きな所をを選ぶのは、もちろん観客それぞれの自由ですね。観る前の予想よりも、ずっといろんな萌えポイントが散りばめられた作品だったと感じました。
Posted by 研究員B at 2015年12月22日 11:03
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