2015年06月11日

台湾の絵本・その1:気になる台湾の絵本5冊

ええと、突然ですが、台湾の絵本について書きます。

最初のきっかけは、twitterとFacebookでいつもやっている台湾関連の雑情報の発信で、以下の話題を取り上げたことです。

○フォーカス台湾「“東大のリン・チーリン”児童書店美人店長、台湾での絵本発展に尽力」 http://bit.ly/1FoWmC1
○元記事:中央社「童書界新垣結衣 網友想聽姐姐說故事」 http://bit.ly/1GRuhYC
○「台灣童書地圖」Facebook http://on.fb.me/1dGHg4d
https://twitter.com/okiraku_tw/status/605366055444176896

台湾の出版事情は、誠品書店に行けばわかりますが、どのジャンルも日本に比べて翻訳ものの存在感が大きいのが特徴であるように思います(誤解だったらご指摘を!)。絵本や児童書も、日本のものや英語圏のものの翻訳が多々あり、台湾のものは決して多くない印象を受けていました。そう感じていたので、台湾での絵本の発展に取り組む人が紹介されたこの記事は、そういう人がいるんだ!と印象に残ったのでした。

記事によると、この人(蘇懿禎さん)は日本の大学院に留学していたというので、もしかしたら日本語で書いたものがあるかもと思い、調べてみたら、次の本に寄稿していることに気づきました。

中川素子編『女と絵本と男』(翰林書房,2009)



絵本におけるジェンダーについての本です。この本の後半には、編者の中川素子が大学院で「絵本とジェンダー」をテーマにした講義を行った記録と、参加した大学院生たちの文章が掲載されています。この大学院生たちに、上記の蘇懿禎さんが含まれていました。その「絵本とジェンダー」の講義について書かれた章で、各院生が「手のひら絵本」で話すことにチャレンジする話が書かれていたのですが、その中で蘇さんが台湾の朝の風景を描き出したことが紹介されていて、非常に面白い内容でした。また、蘇さんが書いた「うさぎの子、うさぎの女の子、どっち」という文章も収録されていて、絵本の登場人物の性別が中国語への/からの翻訳の中で伝わらないエピソードなど、短いけどこれも興味深い内容でした。

それだけでも個人的には十分満足だったのですが、この本にはさらに、巻末に「女と男を考える絵本ガイド36冊」が掲載されています。そのガイドの中で、蘇さんが台湾の絵本を2冊紹介していました。その2冊はどちらも気になる内容で、読みたいなあと思って検索しているうちに、他にも台湾の絵本で気になるものがいくつか見つかりました。以下、それを紹介しようというのがこのエントリです。以上、長〜い前置きで失礼!

誠品書店にも、そして誠品書店の絵本や児童書のコーナーにも、何度となく行っているのですが、誠品書店に行くと他のコーナーを見るのに忙しく、また絵本や児童書のコーナーでも所長(現8歳)に少しだけある日本語の本を読んであげたりで、じっくり台湾の絵本や児童書を見ることはなかなかありませんでした。今後台湾に行ったら、しっかり探してこようと思います!


で、ようやく本題。まず、上記『女と絵本と男』の「女と男を考える絵本ガイド36冊」で、蘇懿禎さんが紹介していた2冊の台湾の絵本から。1冊目は:

『媽媽買酷、』(作者:曾陽晴,繪者:萬華國,1998/2008)(博客來

阿寶はお母さんと一緒に買い物に行き、買った緑豆でお母さんと酷、湯をつくる。おいしくできた酷、湯をお母さんと座って食べ、さらに酷、冰をつくる。ふと阿寶は一粒の緑豆が転がって残っているのを見つけ、それを瓶に植えてみる…。

ネットでわかる情報だけでも、本当にシンプルな話であることがわかります。阿寶がお母さんと一緒につくったり食べたりするのがとても楽しそうで、特に味見をするときの至福の表情(笑)がとってもいい。もう現代的とはいえないかもしれないけど、どこか懐かしいタッチは日本の読者にも響くのでは。酷、湯も食べたくなります(笑)。ぜひ現物を見てみたい作品。

2冊目は:

『12婆姐』(作者:許玲慧,繪者:鍾易真,2005)(博客來

「12婆姐」とは、註生娘娘(妊娠・出産・子育ての神)の使者で、それぞれ12ヶ月を分掌し、いずれも赤ん坊を抱いていて(赤ん坊は一人だったり二人だったり)、註生娘娘とともに祀られていることが多いのですが、それに由来する「十二婆姐陣」とは、男性が白い女性の面をつけて12婆姐に扮して練り歩き、子どもの厄落としや女性の安産などを祈願するというもの。この絵本は、その12婆姐の神事に、子どもたちが実際にかかわっていく過程を描いた作品のようです。「台湾度」の高い素材で、これも気になります。


この2冊を検索しているうちに、さらにいくつかの気になる絵本を見つけました。以下、見つけた3冊を順に:

『走,去迪化街買年貨』(作者:朱秀芳,繪者:陳麗雅,2012)(博客來

春節直前の迪化街のにぎわいを描いた絵本のようです。これまた「台湾度」が高く、迪化街の店の店先の様子が詳細に描かれているようで、手にとって見てみたい!


『阿志的餅』(作者:劉清彥,繪者:林怡湘,2005)(博客來

台中といえば太陽餅。阿志の家は、60年以上の歴史がある太陽餅の老店。その阿志が、友達の小玲と一緒に、太陽餅をつくってみる!という話みたい。


『好想吃榴槤』(作者:劉旭恭,繪者:劉旭恭,2007)(博客來

ドリアンが食べたくなったねずみ。でもどんな味なのか知りません。ねずみはいろんな動物に、ドリアンを食べたことがあるか、どんな味なのかたずねてまわります。「好想吃榴槤!」「好想吃榴槤!」 そしてついに、動物たちの前に大きなドリアンが。さあ、包丁で切ってみると、大変なにおいが!
…という話みたいなのですが(笑)、これ読みたい! 最後はどうなるのでしょう?


というわけで、以上5冊、今度台湾に行ったら探してみます。

台湾の絵本については、「その2」として「日本語で読める台湾の絵本」についてのエントリを準備中。しばしお待ちを。

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posted by 研究員B at 00:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本・雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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