2014年10月27日

2014台灣同志遊行(台湾プライドパレード)

2014年10月25日、「台灣同志遊行」(台湾プライドパレード、2014 Taiwan LGBT Pride: オフィシャルサイトFacebook)が台北で開催されました。

2003年の初回から数えて今回が12回目、今回は6万5000人が参加したと発表されています。想像できる範囲を超えた人数になってからもう久しく、ただただすごいの一言です。

今回のエントリは、例年同様、現場に行っていない立場からではありますが、この今年の台湾プライドパレードについて断片的にご紹介します。なお、過去のパレードについてのエントリ(主なもののみ)は: 2010年の台北のパレード2011年の台北のパレード2012年の台北のパレード2013年の台北のパレード2011年の高雄のパレード2012年の高雄のパレード

1.テーマ「擁抱性/別・認同差異」

今年のテーマは、「擁抱性/別・認同差異」。公式サイトの文章(「2014台灣同志遊行「擁抱性/別・認同差異 Walk in Queers' Shoes」」)を読むと、「同志」を単一のカテゴリーとしてとらえるのではなく、改めて「差異」にコンシャスになること、主流的なLGBTイメージにおさまらない存在をきちんと見出していくことの必要性や、そこに働いている権力関係なども注視することが強調されている――ような気がします(理解不足や誤解があればご指摘を!)。これは、特に同性婚の法制化の動きがある中で、主流的なLGBTイメージだけがイメージされやすくなっているという認識に基づくもので、そのことがLGBTの中の多様性や力学の存在を見えにくくしていまう可能性も視野に入れて、設定されたテーマなのだろうと読みましたが、どうでしょうか。この辺のバランス感覚というか、冷静さはなかなかです。

2.パレードの様子

パレードの雰囲気がわかるものとしては、コンパクトなものとしては苦勞網の記事がありますが、ビジュアルには、公式サイトからリンクされているflickrのページが、盛りだくさんでありつつすっきりしていて、今のところ一番いいかも、と思っています。日本語では、例年台北ナビがまとめの記事をアップしているので、それにも期待(【2014年10月30日追記】残念ながら、現時点で台北ナビには記事の掲載はありません。今年は取材に行かなかったのも。代わり(?)に、なんと東スポが報じています。しかもポイントを押さえた内容です。東スポ「台北の巨大ゲイパレードに7万人参加」)。

3.報道

台湾メディアの報道は多々なされていますが、日本語で読める記事としては、フォーカス台湾(中央通訊社)のものと、RTIのものがあります。
ニュース動画としては、とりあえず以下の二つを貼り付けておきます。公視と、「聯合報」系のudn新聞台のニュースです。

公視「擁抱性別 認同差異 同志大遊行登場」


udn tv「同志大遊行登場 繽紛台北街頭」


どちらも、アジアをはじめとする各国からの参加者が加わっているという国際的な広がりを強調しているほか、反対派のグループの記者会見を報道しています。同性婚の法制化の動きが具体化した昨年以降、徐々に反対派のグループの活動も見えるようになってきた(あるいは、こうした報道の中で紹介されるようになってきた)という印象が(個人的には)あります。もっとも、この動画で紹介されている範囲内では、反対派のグループの主張はいかにも定型的なものですし、その存在がどこまで大きいといえるかはかなり疑問ですが。

4.著名人

今回のパレードでは、例年みられるような著名人の参加やアピールは特に伝わってきておらず、報道で名前が出ていた藍心湄の参加(Facebook)も、個人的なもののように見えます。もちろん参加の形式は大きな問題ではないと思いますし、そういうスタンスも十分ありうると思うので、来年以降もこの点には注目したいと思います。

今回に関しては、実際にパレードには参加しなかったものの、政治家たちからのパレードへの賛意表明がなされたことが多々報道されていました。毎年同様の賛意表明をFacebookなどでしている政治家もいるのですが、今回については、あと一ヶ月ちょっとで地方選があることも影響していたかもしれません。特に、台北市長選に立候補している連勝文が、自らのFacebookでレインボーフラッグを掲載し、当選後はLGBTフレンドリーな環境整備に努めると述べたことは、(そういうことをしそうにないと思われていたこともあって)驚き(と疑念?)をもって報道されています(【2014年10月30日追記】なんと、連勝文のFacebookから、レインボーフラッグの記事は29日に消えてしまったとのこと! どういう意図での削除なのかわかりませんが…。風傳媒「同志大遊行結束 連勝文聲援po文就消失」)。それだけ、(たとえ選挙目当てにすぎないのだとしても)同性婚をはじめとするLGBTの問題が社会的に重要な課題であるという認識が、一定の広がりをもっていることを示しているように思います。

5.五月天の「擁抱(抱きしめて)」

最後に、今回のパレードの「活動曲」として、五月天(Mayday)の「擁抱」(邦題「抱きしめて」)が選ばれていたそうです。やっぱりこの歌ですよね! この歌は日本語詞がつけられて、日本でもカップリング曲としてリリースされています。オリジナルのMVは、まさにこのパレードとも響き合うような、多様なあり方をポジティブに描く印象的な作品になっていますが、日本語ヴァージョンのMVも同じ映像をそのまま使っています。ぜひご覧ください!




以上、今年もまたネットを通じての情報整理でした。検索すれば、日本から実際にパレードに参加した方の声もすぐ見つけられると思うので、ご関心のある方はぜひどうぞ。しかし、実際に現場に行けるのはいつの日か…。
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posted by 研究員B at 02:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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