2010年11月01日

台灣同志遊行(台湾プライドパレード)その4

このブログで何度かエントリを書いてきた台灣同志遊行=台湾プライドパレード(Taiwan LGBT Pride、オフィシャルサイトwikipedia)、10月30日に台北で無事開催されたようです。今回はこれについて、いくつか断片的に。

なお、関連するエントリについては、その1その2その3を、高雄のプライドパレードについては、その1その2をご参照ください。


1. 日本での報道

今回のパレード、おっと思ったのは、なんと日本のメインストリームのメディアで報道されたことです。しかも写真入り!

時事通信(jiji.com)「台北で今年もゲイパレード=3万人参加、アジア最大級」

さらに、朝日新聞のasahi.comにも、時事通信の配信記事として掲載されました(asahi.com「台北で今年もゲイパレード=3万人参加、アジア最大級」)。ただし、asahi.comに載ったからといって朝日新聞の紙面に載るとは限らず、手元にある版では残念ながら掲載されていない模様。もし載っているものがあるようならお知らせください。

この記事、「プライドパレード」と表現してほしい気がしなくもないけど、何はともあれ報道されたのはめでたい限り。他方で、8月の東京・渋谷でのプライドパレードが日本のメインストリームのメディアで一切報道されなかったことを思うと、「なぜ台湾だと報道されるのか」と思わざるをえないのも事実。「3万人」という数字がすごいから? 所詮別の社会での出来事だから?


2. 阿密特=アーメイ(張惠妹)の参加

前のエントリで紹介したとおり、今回のパレードの「彩虹大使」(レインボー大使)を務めたのは阿密特ことアーメイ(張惠妹、阿妹)。やはりアーメイの存在は大きく、パレードではなくアーメイをメインに取り上げる報道も台湾ではいくつか見られました。その中からひとつ、ニュース動画を。



腕輪もネックレスもレインボーの装いで登場したアーメイ、かっこいいです! 別のニュース動画では、全身レインボーにしようと思ったと語っていました。上の動画では、「レインボー大使を務めているかどうかとは関係なく、LGBTのみんなのためなら自分はずっと無償で支援したい」(大意)といった発言もしています。聯合報の記事(「阿密特代言 3萬人冒雨挺同志政策」)によると、「アーメイを総統に!」なんて声まで上がったとか。


3. 政治家の参加をめぐる議論

以前のエントリでもふれたとおり、台湾は月末に大きな選挙(主要都市の市長選)があることもあって、今回のパレードはLGBTに関係する政策の実現など、政治的な面が強調されています。以下のニュース動画でも、主催者側(台灣同志遊行聯盟)の一人である呂欣潔さんが、「候補者がどの政党の所属かということではなく、自らが求めているLGBTのための政策が何か」を考えることや、「人権尊重といった言葉だけではなく、実際にLGBTのための実践的な政策を提示すること」が求められている、といった発言をしています(大意)。



そんな中、実は開催数日前に、台北市長選で民進党から立候補している蘇貞昌がパレードに参加することを表明していました。これに対して、当初主催者側は立場を問わず参加を認める方向でしたが、激論の末、最終的に「不歡迎」つまり参加を歓迎しないという発表をしました(「台灣同志遊行聯盟聲明: 請尊重遊行主體 不歡迎沒有同志政策的候選人」)。蘇貞昌は台湾の大物政治家といっていい存在で、これまでさまざまな要職を経てきた人ですが、その経歴の中で特にLGBTのためになることを(しうるだけの立場にあったにもかかわらず)した実績があるとはいえず、この点が問題になったとのことです。LGBTのためになる政策は歓迎するが、LGBTを「消費」する立場は歓迎しない、と述べられています。これを受けて、蘇貞昌はパレードへの参加を見送りました。

このあたりはいろいろ文脈もあり、もっと詳しく知りたいところです。高雄市長の陳菊(彼女も月末の選挙で再選を目指して立候補しています)は、高雄のプライドパレードでLGBTから好評を博していたけど、彼女はどういう実績があるんだろう、などなど、気になることは広がるばかり。

ともあれ、こうしたエピソード自体も、台湾社会においてこのイベントの存在感、さらにはLGBT自身の存在感がどのようなものかを浮かび上がらせているような気がします。そしてやはり、では日本は?とまた考えてしまいます。

【イベントの最新記事】


posted by 研究員B at 03:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック