2010年08月11日

台湾語・台湾華語の教材情報3 台湾華語教材編

「台湾語・台湾華語の教材」シリーズ第3回。今回は、最も関心が高いと思われる台湾華語教材編。台湾華語が何かについて説明し始めると、大変なことになりそうなので割愛。とりあえず、台湾で使われている中国語で繁体字を用いる、ぐらいのゆるい定義でお許しください。

しかし今回まとめてみて思ったが、台湾華語を学ぶっていうのは意外に難しい。「きっかけ編」でも書いたとおり、日本の中国語教育は北京語がベース。「傍流」扱いである台湾華語をわざわざ説明してくれる本なんて、ほとんど見当たらない。いっそ台湾語ぐらい別言語として認識されちゃえば話は別なんだろうけど、やっぱり中国語は中国語だし。

でも一方で北京語と台湾華語って、どこかで決定的に違う瞬間もあるわけで。研究員Aは北京語の基礎を叩きこまれているので、台湾華語の基本的な文法や発音は理解できる。だけど、全体のニュアンスが分からずもやもやっとすることも多い。台湾華語独特の語彙やら言い回しというのが確実にあって、それがうまく理解できないみたいなのだ。

多分、今の日本で台湾華語を学ぼうと思ったら、まず北京語を学ぶ→その後、台湾華語に触れながら慣れる、という方法しかない。そして「慣れる」ためには、日本語訳を確認しながら台湾華語を読む機会がないときつい。だけどそもそも、繁体字を使う中国語教材が少ない!だから今回はいわゆる「語学学習書」という枠に当てはまらないものでも、台湾華語−日本語が併記されていて教材になりそうなものを集めてみました。

1. 和田健一郎、李慧君 『中国語は台湾で学べ 台湾華語のススメ
(NPO法人日台学生交流会、2010年) 1,680円
 【研究員Aの買いたい度 未見のため★なし】
出版元が変わっているせいか、店頭で見つけられなかった。でもタイトルからしてずばり、なので載せときます。どんな内容なのかしら?実際に手に取った方、感想を教えてください!

2. 小道迷子 『小道迷子の台湾ではじめよう、中国語』 (三修社、2010年) 2,100円
 【研究員Aの買いたい度 ★】
発音の基礎を漫画と台湾華語を用いて説明するという画期的な本。研究員Aとしては、ちょっと初心者すぎる内容なので買いたい度は低くなったが、中国語初心者の研究員Bなら★3つくらいにランクアップするのでは。台湾が気になるのでこれから中国語を始めようと思ってる。でも中国語って何?台湾の中国語と中国の中国語って何が違うの?みたいなシンプルな疑問をお持ちの方にはすごくお勧めです。

3. 趙怡華 『CD BOOK 台湾語のスラング表現 (アスカカルチャー)
(明日香出版社、2007年) 1,785円
【研究員Aの買いたい度 ★★★★★】
タイトルには「台湾語」とあるけど、「台湾華語」に置き換えた方が正確な気がする。台湾ドラマ好きで中国語始めました、な人達は絶対に「買い!」ですよ。普通に中国語学んでいても絶対に出てこない「今」の表現がいっぱい載っているから。構成は1ページごとに1表現にフォーカス、それを使った会話と豆知識というもの。豆知識を読んでいるだけでも、それなりに面白い。とりあげる表現は本当に様々で、注音字符を使った表現なんかが載ってるのが台湾好きとして嬉しいところ。

4. 趙怡華 『はじめての台湾語 (アスカカルチャー)』 (明日香出版社、2003年) 2,415円
 【研究員Aの買いたい度 ★】

5. 趙怡華、陳豐惠、たかおかおり 『CD BOOK 絵でわかる台湾語会話 (アスカカルチャー)
(明日香出版社、2006年) 1,995円
【研究員Aの買いたい度 ★★】

6. 趙怡華著、陳豐惠監修 『(まずはここから!)やさしい台湾語カタコト会話帳
(すばる舎、2008年) 1,365 円
【研究員Aの買いたい度 ★★★】

7. 趙怡華著、陳豐惠監修 『CD BOOK 台湾語会話フレーズブック
(明日香出版社、2010年) 3,045円
【研究員Aの買いたい度 ★★★★★】

上の4〜7までは「台湾語教材編」で紹介したのと同じもの。よって詳細はそちらをご参照くだされ。台湾語と台湾華語が併記されているので、台湾華語のフレーズ集としても読めるな、と思ったんで載せときます。どれか一冊買うとするなら、断然「7」がお勧め。収録されているフレーズ数が圧倒的に多いので、読んでるだけでも相当勉強になる。

8. 片倉佳史 『旅の指さし会話帳8台湾 [第二版] (ここ以外のどこかへ!)
(情報センター出版局、2004年) 1,365円
→コンパクト版は、片倉 佳史 『旅の指さし会話帳 mini台北 [台湾華語]
(情報センター出版局、2009年) 714円
【研究員Aの買いたい度 ★★】

9. 太田垣晴子、浜野史子 『イラスト会話ブック 台湾―台湾中国語
(ジェイティビィパブリッシング、2006年) 1,050円
【研究員Aの買いたい度 ★】

10. 大田垣晴子、浜野史子 『台湾 (絵を見て話せるタビトモ会話―アジア)
(ジェイティビィパブリッシング、2009年) 1,260円
【研究員Aの買いたい度 ★】

11. 『台湾編 (ひとり歩きの会話集) (ひとり歩きの会話集 18)
(ジェイティビィパブリッシング、2010年) 1,365円
【研究員Aの買いたい度 ★★★】

12. 片倉佳史、石野真理 『食べる指さし会話帳 4台湾 台湾 &中華料理 (ここ以外のどこかへ!)
(情報センター出版局、2003年) 1,575円
【研究員Aの買いたい度 ★★】

8〜12は、語学教材ではないのだけれど、台湾華語と日本語が対照できて、簡単な会話指導書としても読める本。どれが良いかは、レイアウトやらイラストやらノリやらの好みによると思う。だけど、語学学習者にお勧めは「11」。理由は簡単、例文がいっぱい載っているから。他はイラストを入れて「見やすさ」を追及している分、語学学習者的には無駄が多い。ちなみに、これらの本はすべてピンイン表記なし!平仮名に声調記号で発音が示されている。仕方ないけど悲しい…。

13. 光瀬憲子 『ビジネス指さし会話帳 4台湾華語
(情報センター出版局、2008年)1,575円
【研究員Aの買いたい度 ★★】
この種の本としては画期的なことに、ピンインが記載されてる!ビジネスの現場って、一番台湾華語と北京語の違いが問題を引き起こしそうな場なので、役に立つ人はいるのでは?

14. 玖保キリコ 『JAPAN 中国語(繁体字)~日本語 (イラスト会話ブック)
(ジェイティビィパブリッシング、2009年) 1,575円
【研究員Aの買いたい度 ★★★★★】
「8〜13」までは、日本人が台湾に行ったら、という想定で作られているけど、この本は逆。台湾人が日本に来た時、台湾華語で日本をどう紹介するか?の例文集。これがけっこう読んでて面白いし勉強になる。だって和菓子・地方特産品からメイド喫茶まで、台湾華語でどう説明するか?これを覚えるだけでも、けっこう知識になりそうではないですか!小さ〜いフォントながら、英語が併記されているのも語学好きとしては楽しい。

15. 遠藤雅裕 「台湾華語入門」 (中国語ジャーナル 2010年 03月号 [雑誌]
  【研究員Aのお勧め度 ★★★★★】
本じゃないのだけれど、やっぱりこれは台湾華語を学びたい人にとっては必読。詳しくは過去の研究員Bのエントリをご覧あれ。語彙だけではなく、文法にまで触れているという点で本当に貴重。ちなみに遠藤雅裕先生はtwitterをやっていらして(こちら)、時々ものすごく濃い言語学ネタがつぶやかれるので、興味のある人はfollow him!

うーん並べてみると、やはり「台湾華語を学ぶ」というコンセプトがいかに日本で成立しにくいかが分かるなあ。良い方法、ご存知の方はお知らせください!(←こればっかり)。

次回、「辞書編」に続く。
posted by 研究員A at 23:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 語学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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