昨日は「第21屆金曲獎」の発表日。金曲獎とは、以前のエントリでもふれたことがありますが、「台湾のグラミー賞」と言われることがある、台湾で最もメジャーな音楽賞のこと。この賞ですが、主催しているのは行政院新聞局。つまり政府が主催しているわけで、そのせいもあって実に多くの部門が用意されています。そもそも「流行音樂類」つまりポピュラー音楽と、「傳統ji藝術音樂類」つまりクラシック音楽の両方が対象となっている上に、「流行音樂類」の中でも、「國語」つまりいわゆる北京語のものだけでなく、「台語」(台湾語)・「客語」(客家語)・「原住民語」(先住民族の言語)のそれぞれについて部門が設けられているなど、多様な構成になっていて、そのこと自体が台湾社会の広がりを示していてなかなか興味深いです。
今回、既に日本語でも記事が出ていますが、アーメイ(張惠妹=阿密特)が6部門で受賞し、主要部門をほぼ総なめした結果となっています(詳しいノミネート+受賞リストはこちら)。個人的には、前作でも「最佳國語專輯獎(ベストアルバム賞)」獲得まであと一歩だった陳綺貞(チアー・チェン)に注目していたのですが、結構多くの部門でノミネートされていたにもかかわらず受賞はなし。残念でした。
その中で、当ブログで紹介したことがあるアーティストから、受賞者が出ています。少数しか紹介していない割に結構な打率かも?
まず、徐佳瑩(ララ・スー)。彼女についてはまとまったエントリを1本載せていますが、しっかり「最佳新人獎(新人賞)」を獲得しました。おめでとうございます!
次に、范曉萱(メイビス・ファン)&100%。「幽默感」という曲を紹介したエントリがありますが、「最佳單曲製作人獎(ベストシングルプロデューサー賞)」を、范曉萱自身が受賞しました。受賞したのは「主人」というナンバー。
せっかくなのでもう一曲、「管他什麼音樂」。前のエントリで紹介した「幽默感」と3曲聴いてみると、その多様性と一貫性(?)がわかると思うのですが、いかがでしょう。
最後に、映画「深海 Blue cha-cha」についてのエントリにちらっと名前を出した、李欣芸(Cincin Lee、wikipedia、公式)。「最佳作曲人獎」を受賞しています(たぶんインストゥルメンタル部門?)。この「故事島」というプロジェクトについてはよく知らなかったのですが、台湾観光協会が出している雑誌『台湾観光月刊』(日本語版第502号、2010年4月)に記事が載っているのを見かけました(「『故事島Story Island』 台湾の声 島の物語」pp.17-19:【6/28追記】こちらから、同誌の当該号を全ページPDFでダウンロードできる模様)。Youtubeで検索してみたら、下のものが見つかったので貼り付けておきます。何ともゆるやか。
いろいろ選考については議論がある賞ではあるけど、台湾の音楽について、少しでも関心がもたれるきっかけになれば何より。
2010年06月27日
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